Campeonato Brasileiro 2006 〜ブラジル全国選手権〜 静寂きわまるモジ・ミリン。サントスが無観客試合を制す。
第2節 サントス 2-0 アトレチコ・パラナエンセ
2006年のブラジル全国選手権は、4月22〜23日に第2節が行われた。モジ・ミリンのエスタジオ・パパ・ジョアン・ピント二世で行われた サントス×アトレチコ・パラナエンセ は、FWアントーニオ・デ・ニグリスの移籍後初ゴールなどでサントスが勝利した。 場所はサントスのビラ・ベウミーロではなく、モジ・ミリンのエスタジオ・パパ・ジョアン・ピント二世。しかもスタンドに観客が一人もいない無観客試合だった。これは昨年のブラジル全国選手権で起こった八百長事件による再試合 ( コリンチャンス 7-1 サントス ) 戦での出来事に対する罰だった。その試合でサントスが惨敗したことに腹を立てたサンチスタ ( サントスのサポーター ) が、コリンチャーノや審判団めがけて生卵を投げつけた。同シーズンの終了間際、STJD ( ブラジル最高スポーツ裁判所 ) がサントスに「2試合分の主催試合剥奪および無観客試合」の判決を下したため、サントスはこの日モジ・ミリンでサポーターも入れずに試合を行わなければならなかったのであった。 歓声も罵声もない静かな試合は、サポーターがいないため選手たちのモチベーションが全体的に低く、カードが1枚も出ない"練習試合さながらの内容"だった。サントスは最初の10分で2度決定機をつくるなどして積極的に攻めた。迎えた11分、MFクレーベルがペナルティエリアを左サイドからドリブルで深くえぐると、技ありのヒールパスでゴール前へ。フリーになっていたFWアントーニオ・デ・ニグリスのゴールを演出するクレーベルの好アシストで、サントスが先制した。アトレチコ・パラナエンセも29分にMFカルロス・アウベルトがミドルレンジから鋭いシュートを放ったが、GKファービオ・コスタの好守に阻まれた。 後半も、FWデ・ニグリスのシュートでサントスがチャンスをつくれば、アトレチコ・パラナエンセもカウンターからチャンスをつくるなど、一進一退の攻防が繰り広げられた。次の1点はサントスが奪った。77分、投入されたばかりのFWホドリーゴ・タバタが左サイドから正確なクロスをゴール前に入れると、それをFWヘイナウドが頭で合わせてリードを広げた。それ以降は試合も落ち着き、2-0 でサントスが勝利した。 先の開幕節でゴイアスと引き分けていたサントスは、勝利に対する貪欲さでは相手を上回っていた。ルシェンブルゴは 3-5-2 でサイドを広く使い、ゾーンディフェンスを徹底しつつ攻撃でもピッチを幅広く使った。サポーターのいない試合でモチベーションを保つのは容易ではなく、不安要素の多かったこの試合。しかし、メキシコから移籍してきたFWデ・ニグリスが移籍後初ゴールをマークするなどプラス要素もあった。次節、サントスはパウメイラスとのクラシコに挑む。リーグ序盤を占う意味でも重要な試合になりそうだ。 対するアトレチコ・パラナエンセは、この日の負けで連敗スタートと状況は厳しい。昨年も同様に連敗でブラジレイロンをスタートさせたが、昨年はリベルタドーレスを戦っており、後者に重点を置いてブラジレイロンをおろそかにしていたからだ。まだ言い訳もできていた。だが、今年はリベルタドーレスに出ているわけではないため、昨年のような言い訳は通用しない。戦力面でも他に見劣りする2006年、彼らにとっては苦しいシーズンになるかもしれない。 写真; 11分に先制ゴールを決めたメキシコ人FWアントーニオ・デ・ニグリス ( サントス / 写真上 ) は、アシストしたMFクレーベルに飛びついて感謝。
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