Campeonato Paulista 2006 〜サンパウロ州選手権〜 取り消されたテベスのスーパーゴール…判定は覆らず引き分け。
第16節 パウメイラス 1-1 コリンチャンス
サンパウロ州選手権は、3月25〜26日に第16節が行われた。サンパウロのモルンビーで行われた「クラシコ」 パウメイラス×コリンチャンス は、疑惑の判定に揺れながら両者ともに勝ち点1ずつを分け合う結果に終わった。これで首位サントスとの勝ち点差が11に広がったコリンチャンスの、優勝の可能性が消えてなくなった。 試合は、互いに攻め合う好ゲームになった。8分、右サイドでファウルをもらったコリンチャンスはMFヒカルジーニョが左足でゴール前にボールを送る。DFマルクス・ビニシウスが頭で流したところに、FWニウマールが頭で合わせてコリンチャンスが先制ゴールを奪った。これで勢いにのったコリンチャンスは、15分にMFマスチェラーノからMFヒカルジーニョ、16分にはDFグスターボ・ネーリからFWニウマールと流れるような攻撃で追加点を狙ったが、2点目を奪うには至らなかった。すると24分に試合が動く。FWエジムンドのシュートがクロスバーに当たって跳ね返ったところにFWワシントンがつめて、パウメイラスが同点に追いついた。 1-1 のまま迎えた30分、問題のシーンが生まれた。相手守備陣の裏に飛び出してボールを受けたFWテベスが鋭い弾道のシュートを放ち、ゴール隅にボールをねじこんだ。素晴らしいゴール ( ゴラッソー ) だった。ところが次の瞬間、主審がパウメイラス側のリスタートを指示した。副審のアナ・パウラ・ダ・シウバ・オリベイラ氏がフラッグを上げており、テベスの位置がオフサイドであったという判定だった。しかし、実際は味方からパスが出された瞬間、テベスは相手選手とほぼ横に並んでいたため、オフサイドであったかどうかは疑わしいものだった。MFヒカルジーニョやMFカルロス・アウベルトらの必死の抗議も判定は覆らず、テベスのスーパーゴールは無情にも取り消されたのであった。 その後も互いにチャンスメイクしたものの、次の1点が奪えずに引き分け。勝ち続ける首位サントスに追いすがるために勝ち点3が必要だった双方にとって何とも悔やみきれない結果に終わった。 パウメイラスは、立ち上がりに喫した失点の場面を初めとして何度か最終ラインの裏をとられた。ボール支配率ではほぼ互角だったが、やや安定感に欠けるシーンが目についた。追加点を決めて試合を優位に進めたかった彼らは、後半も最後まで諦めることなくゴール前にボールを運んだ。しかし、頼みの2トップも後半は沈黙。相手守備陣の堅い守りを崩しきれずに引き分けた。この引き分けで首位サントスとの勝ち点差が4に広がったパウメイラス。優勝の可能性はまだ残されてはいるが、それはサントスの結果に委ねられる。 疑問の残る判定で2点目を取り消されたコリンチャンスは、ぶ厚い攻撃を何度も仕掛けながら1点に甘んじた内容で引き分けてしまった。試合途中にはふがいない戦いをするチームに激情したコリンチャーノがピッチに乱入するハプニングにも見舞われた。 この引き分けで州選手権での優勝の可能性はほぼ消滅した今季のコリンチャンス。落とした試合も決して少ないとは言えず、開幕節のノロエスチ戦と首位サントスとの直接対決を筆頭に16試合ですでに6敗。この数字は、今季の州選手権の上位陣の中では突出している。守備の不安定さを解消できないようだと、来月から始まるブラジル全国選手権にも悪い影響を及ぼしかねない。
写真右上; 疑惑の判定を受け、主審に猛抗議するMFヒカルジーニョ ( コリンチャンス ) 。左に写るMFカルロス・アウベルトも同様に声を荒げた。
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