Campeonato Paulista 2006 -サンパウロ州選手権- 白熱のクラシコ。世界王者が銀河系軍団を蹴散らす。
第14節 コリンチャンス 1-2 サンパウロ
サンパウロ州選手権は、3月11〜12日に第14節が行われた。サントスのビラ・ベウミーロで行われた「クラシコ」 コリンチャンス×サンパウロ は、MFダニーロのゴールなどで主導権を握ったサンパウロが、優勝争いをも占うであろう重要な一戦をものにした。 試合は、42,376人の大観衆が見守る中、両者の気迫がぶつかり合った。序盤から攻め合った両者だが、最初の決定的なチャンスはサンパウロがつくった。14分、MFヒシャリソンがDFベトンのマークを振り切ってシュートを放った。ボールはGKエレーラの正面に落ち着いたが、このシュートをこれを契機にサンパウロが押しはじめる。24分にはMFミネイロも枠内に鋭いシュートを飛ばし、そして29分に先制点が生まれた。MFヒシャリソンのフリーキックがゴール前でルーズボールになり、混戦の中でMFダニーロが頭で押し込み先制点をもぎとった。 後半に入っても流れはサンパウロが握り、49分にMFヒシャリソンのコーナーキックをDFアンドレ・ジーアスが頭で合わせて追加点を奪取した。しかし、それまで後手を踏んでいたコリンチャンスも攻撃に重点を置き、MFホージェルを投入するなど積極策に打って出た。また、サンパウロは相手の裏をとるカウンターへと戦術を変える。白熱の攻防が繰り広げられる中、次の1点はコリンチャンスが奪った。76分、ペナルティエリア内でFWハファエウ・モウラがファウルを受けPKを得たコリンチャンスは、もっか得点王のFWニウマールが冷静にゴールに蹴りこんで1点を返した。その後もコリンチャンスはFWニウマールを中心にたたみかけ、何度も決定的なチャンスをつくったが、サンパウロは全員守備でこれを封じ込めた。おそらく今季の州選手権のベストゲームと思われる90分を制したのは、サンパウロだった。 サンパウロとの直接対決では2003年3月22日を最後に1つも勝てていないコリンチャンスは、FWテベスを欠きながらも懸命に勝利を狙いに行った。MFマスチェラーノも復帰後初のスタメン出場を果たし、グスターボ・ネーリやハファエウ・モウラも戻るなど、戦力では決してサンパウロにひけをとっていなかった。勝利への執念も気迫も充分に感じられたが、彼らの決定機は、GKホジェーリオ・セーニ ( ブラジル代表 ) の好守によってことごとく阻まれてしまった。76分の1点以外にも2度訪れたPKのチャンスを、ホジェーリオ・セーニに止められてしまっては勝てるはずがない。近年、サンパウロにはとにかく分が悪いコリンチャンス。州選手権での3年ぶりの勝利は、惜しくも手からこぼれ落ちてしまった。 一方、サンパウロは、ムリシ・ハマーリョ監督の戦術が着実に浸透していることを予感させた。システムこそパウロ・アウトゥオーリ時代の 3-5-2 を引き継いではいるものの、試合運びや勝利への欲求においては昨年を上回るものをみせている。そこには、同監督の戦術を熟知した元インテルナシオナウのDFアンドレ・ジーアスの存在が強くある。この勝利でサンパウロは勝ち点を29に伸ばした。首位サントスとの勝ち点差は2。念願の州選手権連覇が、徐々に現実味を帯びてきた。
写真右上; 29分に先制点をマークしたMFダニーロ ( サンパウロ ) 。
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