Seleccion de Argentina 〜アルゼンチン代表〜 クラニチャール戦術に困惑。メッシの初得点を祝えず逆転負け。
国際親善試合 クロアチア 3-2 アルゼンチン
2006年最初の国際親善試合は、2月28〜3月1日にかけて世界中で行われた。スイスはバーゼルのセント・ヤコブ・パークで行われた クロアチア×アルゼンチン は、後半ロスタイムにDFダリオ・シミッチのゴールで逆転を許したアルゼンチンがまさかの逆転負けを喫した。 試合は、前半と後半とで両者の姿勢が対照的になった。開始早々の3分にセットプレイからGKアボンダンシエーリがファンブルしたボールをFWクラスニッチが押し込んでクロアチアが先制。しかし、直後の4分にMFリケルメとのワンツーでペナルティエリア内に侵入したFWメッシが左足で逆サイドにシュート。これにFWテベスが滑り込んでアルゼンチンはすぐさま同点に追いついた。アルゼンチンはその3分後に、相手陣内でインターセプトしたFWメッシが、ドリブルで中央に切れ込んでゴール。代表初ゴールとなったFWメッシのゴールは、相手ディフェンダーでキーパーの死角が生まれた瞬間にゴール隅を狙った技ありのシュートだった。 ところが、1-2 のまま後半に突入するとクロアチアが攻勢に転じた。52分、FWプルショが左サイドを深くえぐってクロスをあげ、これをゴール前で待ちかまえていたMFスルナが頭で決めて同点に追いついた。その後は両者ともに決定的な場面をつくったが、それをものにしたのはクロアチアだった。後半ロスタイム、MFイバン・レコのコーナーキックをDFダリオ・シミッチが背中で当てて、ファーサイドの隅にボールを押し込んだ。このゴールが決勝点となり、クロアチアが劇的な逆転勝利で試合を締めた。 クロアチアは、ロベルト・コヴァッチらを欠いたものの、3-5-2 のシステムは効率的に機能した。とりわけ後半はズラトコ・クラニチャール監督の敷くプレッシング・サッカーが効いていた。中盤でコンパクトなサッカーをして、アルゼンチンを相手に互角の戦いをしてみせた。勝利への周年でも相手を上回っていたクロアチア。MFボバン、FWスーケル、MFプロシネツキらが全盛の1990年代後半にも劣らない実力を備えつつある。日本にとって脅威であることは間違いない。 対するアルゼンチンは、勢いのあった前半のうちに3点目を奪えなかったことが敗北につながってしまった。序盤はテベス、クレスポ、メッシの3トップにMFリケルメが絡み、幾度となく攻め込んだ。とくにFWメッシは動き、質ともに申し分なく上々のパフォーマンスを披露。自身も代表初ゴールをあげるなど、素晴らしいプレイをしてみせた。後半、守備の連携ミスやコミュニケーション不足から失点を喫したアルゼンチン。この敗戦が尾を引くようなことにならなければよいが。 写真; まさかの逆転負けに肩を落とすホセ・ペッケルマン監督。
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