現在サンパウロでプレイしているDFアンドレ・ジーアスに、前所属先のゴイアスへ復帰すべしという異例の命令が出された。ゴイアニアのゴイアス州裁判所によるもの。

　アンドレ・ジーアスは昨年、全国選手権３位に躍進したゴイアスでセンターバックとして活躍。彼の安定したプレイを気に入ったムリシ・ハマーリョ監督の要請もあり、今年サンパウロに移籍している。
　上記の命令通りになれば、アンドレ・ジーアスはサンパウロを離れることになる。しかし、この一件についてサンパウロのマルセーロ・ポルトゥガウ・ゴウベーア会長は報道陣の取材に応じ、自信満々にこう述べた。「アンドレ・ジーアスに弁護士をつけた。不可解な命令に正面から戦うつもりだ。我々は順序を踏んで移籍を成立させたのだから、とやかく言われる筋合いはない」
　そして、当のアンドレ・ジーアスもサンパウロで充実した選手生活が送っており、ゴイアスに戻れという命令に不快感を感じているという。

　サンパウロは過去にも似た騒動に見舞われている。2004年にアトレチコ・ミネイロからDFシシーニョを獲得したとき。、そして2005年にアトレチコ・パラナエンセからFWアロイージオを獲得したときの２点。後者においては和解が成立しているが、前者は解決には至っていない。アトレチコ・ミネイロは、サンパウロがレアル・マドリーから受け取ったシシーニョの移籍金の一部を自分たちに支払うよう訴えている。

　ゴイアス側は、アンドレ・ジーアスの引き渡しか、もしくは移籍金の上乗せのいずれかを要求している。一方のサンパウロは、裁判で勝訴した暁にはゴイアスに対して名誉毀損による逆告訴も検討しているという。
　アンドレ・ジーアスが最終的に落ち着くクラブはどちらになるのだろう。