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FIFA World Cup 2010 South-Africa 〜FIFAワールドカップ〜

ワールドカップ初の女性審判誕生を目指す27歳

 サンパウロ州出身の女性審判アナ・パウラ・ダ・シウバ・オリベイラ氏が、2010年のワールドカップでの採用を目指して、日々トレーニングを続けている。

 アナ・パウラ・ダ・シウバ・オリベイラは、1978年生まれの27歳。持ち前の可愛らしさと端正なルックスで、一部のファンから熱烈な支持を得ている女性審判員である。サンパウロ州選手権はもちろん、ブラジル全国選手権1部でも活躍中で、フラッグを片手にライン際を走る賢明な姿が人気を呼んでいる。

 そんな彼女が、2010年のワールドカップ南アフリカ大会で副審としての出場を目指しているという。ワールドカップにおいて審判員に女性が選ばれたことは一度もなく、それはギネスブックにも掲載される史上初の試みだ。ファンはもちろんのこと、彼女の"ワールドカップ初出場"を後押しする声はブラジル国内でも高いそうだ。しかし、現実には難しいとの声もある。
 FIFAの規定によると、12分間で 2,700m を走れる脚が副審に求められている。ちなみに、先日この走力検定を受けたアナ・パウラ・ダ・シウバ・オリベイラの脚力は、12分間で2,425m 。残念ながら今のままでは彼女のワールドカップ出場はない。そのため、同氏は4年後に備えて筋力強化を行っていくと決めたという。

 だが、彼女の筋力強化計画に関しては、様々な声がある。
「オフサイドの判定を正確に把握できていないときがある。女性主審では足が遅いから、レベルの高い試合では副審は全員男性にすべきだ」
 昨年の全国選手権のシーズン中にそう言い切ったFWカルロス・テベス ( アルゼンチン代表 ) の発言にもあるように、女性主審の採用には少なからず批判もとんでいる。

 また、173cm / 61kg と比較的スリムな体型が、筋力強化によって崩れてしまう恐れもある。同氏はジムのインストラクターに「ワールドカップに出たいのなら筋トレは欠かせないけど、その代わり今のモデルのような体型を失うことになるわよ。女性としてはオススメできないわ」と言われたそうだ。

 ちなみに、今年のワールドカップで審判を務めるブラジル人は3人。カルロス・エウジェーニオ・シモン、エジミウソン・コローナ、アリステウ・レオナルド・タバーレスと全員男性である。4年後、31歳になっているアナ・パウラ・ダ・シウバ・オリベイラ氏に機会が巡ってくるかは全くもってわからない。
 27歳の乙女が描く4年後の未来には、何が待っているのだろうか。

2006年3月10日
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