Primera Liga Argentina 2005/2006 Clausura 〜アルゼンチン1部リーグ〜 満身創痍のボカ、パレルモの同点弾で価値あるエンパテ。
後期 第11節 ボカ・ジュニオールス 1-1 リーベル・プレート
アルゼンチン1部リーグは、3月25日〜3月26日に後期第11節が行われた。首都ブエノスアイレスのラ・ボンボネーラで行われた「エル・スーペルクラシコ」 ボカ・ジュニオールス×リーベル・プレート は、後半ロスタイムにFWマルティン・パレルモのゴールが決まって 1-1 で引き分けた。リーベルにとっては悔しい引き分けで、ボカにとっては勝利に等しい引き分けになった。 怒号にも似たボケンセの大声援が轟く中、騒々しい雰囲気の中で両者がぶつかり合った。試合は、3分にFWマルティン・パレルモが最初のシュートを放つと、そこからボカは再三にわたって攻め立てた。MFフェルナンド・ガーゴを起点に中盤でのボールを支配したボカは、両サイドを切り崩しては何度か決定的な場面をつくっていた。しかし、先制したのは攻守のリズムがちぐはぐだったはずのリーベル・プレートだった。ボカの守備陣のミスを狙ったFWエルネスト・ファリアスが、ボールを奪ってカウンターに出る。GKアボンダンシエーリと1対1になったファリアスは、狙いすました正確なシュートでゴールネットを揺らした。39分のことだった。 許してはいけない先制点を許したボカは、そこから何かが狂ってしまった。FWファリアス、MFサパータ、FWモンテネグロらに攻め込まれる場面がしばらく続いた。最終ラインの奮闘でシュートを打たせずに乗り切ったが、ハーフタイムまでの数分間、ボカは劣勢だった。 ボカの劣勢は、後半に入ってさらに拍車がかかった。ペナルティエリア内に侵入したMFマルセーロ・ガジャルドを手で倒したGKロベルト・アボンダンシエーリが、一発レッドで退場になる。代わりのキーパーを投入すべく、MFパブロ・レデスマを退けたボカは 4-3-2 に変更。だが悪い流れはここで止まらず、0-1 のまま迎えた76分にはFWモンテネグロへの危険なファウルでDFファン・クルポビエッサも退場処分に。これでボカは 3-3-2 になったため、MFインスーアを交代させたりFWギジェルモ・バロシュケロットを投入するなどして 4-1-3 に再変更。気がつけば、中盤がフェルナンド・ガーゴ1人といういびつなフォーメーションになっていた。このときは、誰もがリーベルの勝利を確信していた。 そして 0-1 のまま後半ロスタイムに突入。そのとき、試合は動いた。途中出場のFWギジェルモ・バロシュケロットがドリブルでサイドから切れ込み、PKを獲得。これをFWマルティン・パレルモが確実にゴールに押し込んだ。土壇場に決まったパレルモのゴールで 1-1 としたボカは、敗色濃厚だった試合をかろうじて引き分けた。 ボカ・ジュニオールスは、失点を喫して以降は完全に劣勢だった。攻め込みながらゴールが奪えない苛立ちから不要なファウルも連発した。2人の退場者はそこに追い打ちをかけた。どう見ても負け試合だった。ボケンセの不満がスタンドで爆発する中、パレルモの右足が窮地からボカを救ったと言っても過言ではない。残念ながら首位奪還の好機こそ逸したものの、リーベルに勝ち点3を与えなかったことには大きな意味があるはず。内容を度外視すれば、ボカにとっては結果オーライと言えよう。 対するリーベル・プレートもまた、決して褒められた出来ではなかった。4-3-3 がうまく機能せず、手薄な中盤をボカに支配される時間もあった。3トップの連携もさほどうまくいかずに、シュート数もボカより3つ少ない5本。そのうち枠内に飛んだのはわずか2本だった。ファリアスのシュートが決まっていなければ、どうなっていたのか。試合前に「ボカを叩きつぶす」と語ったパサレラ監督は、後半ロスタイムの失点に怒り心頭のご様子でピッチを後にしている。勝ち点3を逃した結果、ニューウェルスに勝ち点で抜かれたリーベルは2位に転落。彼らにとっては納得のいかないクラシコだった。
写真右上; 91分、値千金の同点ゴールを決めて吠えるFWマルティン・パレルモ ( ボカ・ジュニオールス ) 。
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