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Campeonato Paulista 2006 〜サンパウロ州選手権〜

サントスは、デイビッジを呼び戻せるか?

 2003年にクルゼイロ、2004年にサントスと、2つのクラブを以ってブラジル全国選手権を連覇した監督と選手が、それぞれ一人ずつ存在する。前者は、元レアル・マドリー監督で現在はサントスを指揮するバンデルレイ・ルシェンブルゴ。そして後者は現在スポルティング・リスボン ( ポルトガル ) でプレイしているFWデイビッジだ。
 サントスは現在、チーム強化のためにFWデイビッジの獲得を主張し続けているという。だが、これの実現への道は険しいともみられている。

 デイビッジのサントス移籍に関しては、いくつかの問題があるという。ここでは、その問題をひとつずつ整理していく。

 まず、1つめ。デイビッジは2004年にボルドー ( フランス ) からFWデイビッジをレンタルで獲得したものの、お金に苦しんでいるサントスがその際のお金をボルドーに依然支払っていないという点。サントスは定められたお金をボルドーに支払わなければならない。

 次に2つめ。サントスが昨年デイビッジをポルトガルへと放出した際に本来受け取るはずだった移籍金の75% ( 約500万ユーロ ) を、スポルティング・リスボン側がまだ支払っていないという点。ボルドーへの支払い金も、ここから賄う予定でいたサントスにとって、スポルティングからお金が入っていないのは「想定外」だったはずだ。

 そんな彼らに追い討ちをかける存在が、サントスをさらに追い込みつつあるようだ。その存在は、コリンチャンス。メインスポンサーである MSI は、巨額マネーを武器に、昨年獲得に失敗したFWリエジソンを今年こそは獲得したいとしているらしい。だが、当のスポルティングがリエジソン放出を断固拒否していることから、MSIが標的をリエジソンからデイビッジに変えるかもしれないというのだ。これによって、デイビッジはサントスだけでなく、コリンチャンスからもオファーを受ける可能性が浮上した。経済的に上回るコリンチャンスを相手にするようであれば、サントスに勝ち目はない。

 デイビッジの復帰に関して難しい問題を数多く抱えているサントスだが、そんなサントスにも唯一の光明がある。デイビッジの彼女が、サントス市内に住んでいるという点だ。この彼女の存在がずっとひっかかっていたデイビッジ本人は、以前からブラジルへの帰国を希望しており、言うまでもなくサントス市内に再び住みたいと思っているデイビッジ。彼にとって恋愛が重要であるならば、「MSI の巨額のオファーを断ってでもサントスを選ぶ」可能性は、充分にあるはずだ。
 思い返せば、昨年も似たような理由で移籍が実現したことがあった。サンパウロ州の某テレビ局アナウンサーと付き合っている ( 当時ベンフィカに所属していた ) MFホージェルが、「彼女の住むサンパウロ市内に住みたい」との理由ひとつで、コリンチャンスへの移籍をあっさりと受け入れた経緯があった。 女一人の存在で動いてしまう男心。デイビッジの心中も定かではない。

 また、デイビッジ自身が絶対的な信頼を寄せているルシェンブルゴ監督がサントスを率いているのも、大きなポイントとなりそうだ。

 果たして、サントスはデイビッジを呼び戻せるのか…。その鍵を握っているのは、ルシェンブルゴでもサントスでもMSIでもなく、彼の彼女なのかもしれない。

2006年1月20日
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