Mundial de Clubs la Copa TOYOTA Japon 2005 〜 FIFA世界クラブ選手権 〜 主導権を握り続けたサンパウロ。アモローゾ2発も、決勝に不安を残す内容。
準決勝 アル・イティハド 2-3 サンパウロ
第2回FIFA世界クラブ選手権は、12月14日に準決勝が行われた。東京都新宿区の国立霞ヶ丘競技場で行われた アル・イティハド×サンパウロ は、FWマルシオ・アモローゾの2ゴールなどで 3-2 とサンパウロが勝利。18日に行われる決勝へと駒を進めた。 試合は、序盤からサンパウロが攻め立て、相手陣内でボールを支配した。迎えた16分、MFジュニオールのクロスをゴール前でトラップしたFWアモローゾがシュート。相手に当たってコースが微妙に変わったボールはゴール右隅に吸い込まれた。ところが、ここからアル・イティハドがカウンターで攻め込む機会が多くなると、33分にFWモハメッド・カロンのシュートのこぼれ球をMFヌールが押し込み 1-1 で前半を折り返した。 後半も主導権を握ったサンパウロは47分、MFダニーロのスルーパスから右に流れたDFシシーニョの折り返しを、またもFWアモローゾが押し込んで再びリードを奪った。さらには、MFジョズエのスルーパスに抜け出したFWアロイージオが倒されてサンパウロは57分にPKを獲得。これをGKホジェーリオ・セーニが冷静に決めて 3-1 と試合を決めたかに思われた。しかし、終始守備的だったアル・イティハドのカウンターは、時折サンパウロゴールを脅かすと、68分にコーナーキックをMFアル・モンタシャリが沈めた。サンパウロが勝利したが、3-2 と接戦した内容だった。 アル・イティハドは、FWモハメッド・カロン ( 元インテル・ミラノ ) を軸としたカウンターサッカーに徹した。相手に主導権を握られ得点のチャンスも限られてはいたが、それでもサンパウロから2点を奪ったことに関しては評価できるだろう。MFアル・モンタシャリ、MFヌールらも攻撃の際には良いアクセントとなり、カウンター戦術が成功したアル・イティハド。敗戦によって3位決定戦にまわることになったが、南米王者を苦しめたアジア王者の実力は決して低くはなかった。 対するサンパウロは、先の アル・イティハド×アル・アハリ 戦をチーム全員で観戦するなど、対戦相手を入念に調べ、この試合に臨んだ。来日直後に風邪をひいたMFジュニオール ( 元パルマAC ) はコンディションを試合に間に合わせた。ブラジル全国選手権で試合中に骨折したFWグラフィッチは5ヶ月ぶりに戦列に復帰したが、FWジエーゴ・タルデッリの一軍招集却下など前線が駒不足と言われていたサンパウロは、リベルタドーレス決勝で対戦したアトレチコ・パラナエンセからFWアロイージオを獲得。そのアロイージオのプレイがサンパウロの攻撃を際立たせていた。 しかし、攻撃面では満足のいく内容だったが、守備面では相手の素早いカウンターに手をやくなど、不安要素も露呈したサンパウロ。決勝で対戦するリヴァプールのスピードにどこまで対応しうるかが優勝の鍵となる。 決勝は、12月18日に横浜市港北区の日産スタジアムで行われる。 写真; 12年ぶりの来日、そして2ゴールでチームの勝利に大きく貢献したFWマルシオ・アモローゾ ( サンパウロ ) 。
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