Mundial de Clubs la Copa TOYOTA Japon 2005 〜 FIFA世界クラブ選手権 〜 極寒の横浜で繰り広げられた熱戦。 サンパウロが世界一に君臨!
決勝 サンパウロ 1-0 リヴァプール
第2回FIFA世界クラブ選手権は、12月18日に決勝が行われた。横浜市港北区の日産スタジアムで行われた サンパウロ×リヴァプール は、MFミネイロのゴールを最後まで守ったサンパウロがクラブ世界一の座に輝いた。これで世界クラブ選手権の王者は、2000年にブラジルで行われた第1回 ( コリンチャンスが優勝 ) に続き、2大会連続でブラジルのクラブが王座に君臨した。 気温が5度を下回る寒空の中、公式記録で66,821人の観客を動員した同試合は、両者とも序盤は相手の出方をうかがう慎重な立ち上がりをみせた。10分が過ぎて最初に動いたのはサンパウロ。両サイドのジュニオール、シシーニョに加えてジョズエ、ミネイロらも前がかりになり攻撃を活性化させたサンパウロは、徐々にボールを効率的にまわしはじめた。そして26分、FWアロイージオのパスを相手最終ラインの裏で受けたMFミネイロが、GKレイナ ( リヴァプール ) の逆をつくシュートで先制ゴールを決め、先制した。ところが、この失点で目が覚めたリヴァプールは、直後にコーナーキックをFWルイス・ガルシアがクロスバーを直撃するヘディングシュートを放つなど、展開は一進一退の様相を呈していた。 後半、主導権を握ったのはリヴァプール。最終ラインを押し上げるなどして前がかりになると、52分にはMFスティーヴン・ジェラードが直接フリーキックを枠内に蹴るなど、徐々にサンパウロゴールを脅かすシーンが生まれはじめた。61分には、FWルイス・ガルシアがアーリークロスに合わせてゴールネットを揺らしたが、判定はオフサイド。その後も微妙な状況をオフサイドと判定されたリヴァプール。圧倒的に攻め続けたが、自陣に引いて守備に徹したサンパウロの守備を打ち崩すには至らず、単調な攻めに終始した。結果、1-0 でサンパウロが優勝した。 サンパウロは、先の準決勝と全く同じ布陣で試合に臨んだ。しかし、先の試合と違ったのは守備に対する選手たちの意識だった。先制した後は最後まで守備に対して集中を切らさず、オフサイドの判定にも助けられ相手には得点を許さなかった。MFジョズエ、MFミネイロらの幅広い動きもチームを助けたが、誰よりもチームの勝利に貢献したのがGKホジェーリオ・セーニだったことは言うまでもないだろう。ファインセーブで何度もチームを危機から救い、試合後にはMVPに選ばれ、上戸彩との抱擁も交わしたGKホジェーリオ・セーニの活躍なくして、今回の優勝はありえなかった。ブラジル全国選手権では思わしい結果を残せず、年明け早々にもDFシシーニョを手放すサンパウロ。この優勝が来年の彼らの糧になるのかどうか、注目したい。 対するリヴァプールは、先の準決勝から両サイドバックや前線に選手を入れ替えて試合に臨んだが、ベニテスのこの采配がチームにとってプラスには働かなかった。先の試合で2点をあげたFWクラウチはもちろん、先の試合で1アシストのDFリーセ、さらにはFWシセなどを控えにまわした結果、彼らの攻撃は単調になり、本来の実力も成りを潜めてしまった。それでもFWルイス・ガルシアやMFジェラードら主力の動きは悪くなかっただけに、世界一の称号を逃したことはもちろん、1点も奪えずに敗れたことが悔しかったようだ。 コリンチャンスが優勝した5年前の大会を第1回世界クラブ選手権とするか否かで、メディアによってとらえ方が異なった今大会。第2回王者にはサンパウロが輝き、これで世界クラブ選手権は2大会連続でブラジルのクラブが制した。
写真右上; 1993年に続いて3度目の世界王者に君臨したサンパウロ。サッカー王国の名に恥じぬ最高の結果を残して締めくくった。
|