FIFA World Cup 2006 〜FIFAワールドカップ2006南米予選〜 1点では足りないアドバンテージ。勝負の行方はシドニーへ持ち越し。
予選プレイオフ 1st.Leg ウルグアイ 1-0 オーストラリア
FIFAワールドカップの南米予選5位とオセアニア予選1位との間で争われるプレイオフは、11月12日に 1st.Leg が行われた。ウルグアイの首都モンテビデオのエスターディオ・センテナーリオで行われた ウルグアイ×オーストラリア は、DFダリオ・ロドリゲスのヘディングで先制したウルグアイが、最後まで失点を喫することなく 1-0 で勝利。次節に望みをつないだ。 試合は、両者の積極的な守備意識が目立っていた。序盤、ウルグアイの出鼻をくじくかのようにオーストラリアが先攻。FWマーク・ビドゥーカにボールを集めて何度かゴール前まで攻めあがった。しかし、時間がたつにつれて徐々に自分たちのリズムを取り戻したウルグアイが攻め立てる展開へとシフトしていった。そして迎えた36分、ウルグアイが試合を動かした。FWアルバーロ・レコバのフリーキックにDFダリオ・ロドリゲスが身を挺してヘディング。ボールは勢いよくゴールに吸い込まれた。この1点で勢いに乗るかに思われたウルグアイだが、その後は攻めあぐねて追加点を奪うことはできなかった。だが、オーストラリアもまた同様に攻めあぐねたため、1-0 のまま試合終了。ウルグアイは、アドバンテージを以って 2nd.Leg に臨むこととなった。 ウルグアイは、前日までの心理戦で後手を踏み、磐石の態勢にはなかったが、かろうじて勝利することができた。左からMFアルバーロ・レコバが、右からはMFカルロス・ディオーゴがそれぞれ果敢にチャンスメイクをするなど、ピッチを広く使った攻撃が生きていた。この日のような試合運びができるようなら、次節も乗り切れるかもしれない。 しかし、不安要素もぬぐえない。肉離れで出場不可能と思われていたFWディエーゴ・フォルランは、強行出場したが状態が思わしくなく17分に早々とピッチを退いてしまった。消える時間が多かったフォルランの、次節出場の可能性は非常に低いだろう。また、試合中に右のハムストリングを痛めて退いたDFディエーゴ・ロペスの、次節出場も微妙だ。次節は引き分け以上か得点をあげての1点差負けでも本大会出場権を得られるウルグアイ。1-0 というスコアは決して絶対的有利を保証することはできない。まだまだ油断は禁物だ。 対するオーストラリアは、無得点で負けたことで次節は2点差以上で勝つつもりで臨まなければならなくなった。「仮に負けても、せめて1点はとっておきたい」と語ったフース・ヒディンク監督の言葉の通り、アウェイゴールの利が欲しかったオーストラリアにとって、この日の結果は非常に過酷なものになった。絶対に勝たなければならないオーストラリアに策はあるのか。国内のサッカー人口が人気のクリケット人口を超えるなど、サッカーというスポーツが徐々に定着しつつあるだけに、32年ぶりの悲願を実現させたいという思いも強いはず。4年前までとは違うというところを、このプレイオフで見せてほしい。 次節、両者の運命を決める 2nd.Leg は、11月16日にオーストラリアのシドニーで行われる。
写真右上; 36分、DFダリオ・ロドリゲスの先制ゴールに湧くウルグアイ代表。
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