FIFA World Cup 2006 〜FIFAワールドカップ2006南米予選〜 ワールドカップ発祥の地で有終の美。レコバの決勝弾でプレイオフ出場権を獲得!
最終節 ウルグアイ 1-0 アルゼンチン
2006W杯の南米予選は、10月11日に第18節が行われた。ウルグアイの首都モンテビデオのエスターディオ・センテナーリオで行われた ウルグアイ×アルゼンチン は、FWアルバーロ・レコバのあげた1点を守りきったウルグアイが、アルゼンチンから勝ち点3を獲得。勝ち点を25まで伸ばして、最終順位5位が決定した。これでウルグアイは、追いすがるコロンビア、チリの両者を退けて、オセアニア1位のオーストラリアとのプレイオフに出場する権利を得た。 試合は、5位当確に必死のウルグアイと、予選首位の座を守りたいアルゼンチンとの激しい攻防が展開された。序盤から攻勢に出たウルグアイは、5分にFWフォルランのパスをレコバがシュートまで持ちこみ、対するアルゼンチンも司令塔リケルメを中心としたワイドな攻撃を展開。前半は得点こそ生まれなかったが、ピッチ上で繰り広げられる一進一退の攻防を、自国の勝利を信じてやまないウルグアイのサポーターは固唾を呑んで見守った。 そして後半に入ってすぐ、試合が動いた。46分、左に流れたFWディエーゴ・フォルランがゴール前にボールを供給し、相手守備陣の裏に抜け出たFWアルバーロ・レコバが先制点をマーク。GKアボンダンシエーリ ( アルゼンチン ) が前に出たところを、ループ気味に浮かせたレコバならではの“技あり”のゴールだった。湧き上がる大歓声に包まれたセンテナーリオがウルグアイを後押しし、たびたび訪れた同点の危機もGKファビアン・カリーニの好守で切り抜けたウルグアイ。第1回ワールドカップの決勝の舞台にもなった歴史的なスタジアム「エスターディオ・センテナーリオ」で強豪アルゼンチンを破ったウルグアイが、勝ち点3を獲得して予選5位の座に滑り込んだ。 ウルグアイは、予選の開始当初は比較的好調を持続していたが、第5節から3連敗を喫するとチームの勢いが失速。勝ったり負けたりとじれったい成績が続いていた。予選を通しても決して順調だったわけではなかったが、うまくいかない試合を引き分けで切り抜けて地道に勝ち点を積み上げていったことが、この結果に結びついた。この日はレコバやフォルランらの攻撃が光ったが、本気のアルゼンチン攻撃陣に点を許さなかった完璧な守備にも高い評価がついた。今のウルグアイは攻守ともに選手層が充実しており、今の状態を維持しながらプレイオフに臨むに違いない。前回の予選もプレイオフの末 本大会出場権を手にしたウルグアイは、今回もまた同じ轍を踏むべく万全を期してプレイオフに臨むことだろう。名将フース・ヒディンク率いるオーストラリアとのガチンコ勝負は必見だ。 一方、南米大陸で最も早く本大会出場権を獲得していたアルゼンチンも、最後まで手を抜かずに予選を戦った。歴史上、南米ではワールドカップをきっかけに戦争が勃発したことがある。相手のウルグアイに予選突破の是非がかかっていたこともあり、ここでもしアルゼンチンが“手抜き”をしようものなら、5位の座を争っているコロンビア、チリの両者からどんな攻撃を受けるかわからない…といった危機感がアルゼンチンにはあったのかもしれない。この日のイレブンを見ると主力を出し惜しみせず、“本気”で臨んでいたことがわかるだろう。この日は惜しくも敗れてしまったが、来年6月には負傷中のMFハビエル・マスチェラーノも復帰することが予想され、世界的にも類稀なメンツを揃えて本大会に臨むと思われる。2002年は日本で無様な醜態をさらしたが、来年のドイツ大会ではアルゼンチンに期待していいだろう。
写真右上; 46分、ファンタスティックなゴールを得意の左足で決めたFWアルバーロ・レコバに抱きついて大喜びのウルグアイ陣営。手前で左手をかざして感情を爆発させているのはFWディエーゴ・フォルラン ( ビジャレアル所属 ) 。
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