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Campeonato Brasileiro 2005 〜ブラジル全国選手権〜

ビラ・ベウミーロに降りた暴威の蜃気楼… コリンチャンスが逆転勝利!
八百長対象再試合 vol.1 サントス 2-3 コリンチャンス

 ブラジル全国選手権は、10月12〜13日に八百長対象の公式戦再試合が行われた。サントスのビラ・ベウミーロで行われた第16節 ( 7月31日 ) の再試合 サントス×コリンチャンス は、86分にFWカルロス・アウベルトのゴールで逆転したコリンチャンスが、非常に意味のある大きな勝ち点3を得た。

 FWホビーニョ ( 現レアル・マドリー ) らのゴールでサントスが勝っていたはずの試合が取り消され再度行われた同対戦は、負けるわけにはいかないサントスが序盤ボールを支配し、積極果敢にゴールを狙いにいった。11分、FWジオバンニの絶妙なスルーパスにFWクラウジオ・ピッチブウが反応してゴールを奪い、サントスが先制。その後もしばらくはサントスの攻勢が続いた。ところが、その前がかりになって生まれたサントス最終ラインのスペースを、DFコエーリョ ( コリンチャンス ) は見逃さなかった。ドリブルで右サイドを駆け上がったDFコエーリョがあげたクロスにFWテベスが反応して、試合は 1-1 で後半に入った。
 後半はコリンチャンスが攻勢に出てリズムにのるかと思われたが、次の1点を決めたのはサントスだった。DFパウロ・セーザルのオーバーラップで右から攻撃を作ったサントスは、前線に飛び込んだMFルシアーノ・エンリーキがクロスに合わせて再びリードを奪う。ところが、ここからコリンチャンスが反撃を開始した。72分にDFコエーリョのクロスに頭で合わせたMFホジネイのシュートは、GKサウロ ( サントス ) が俊敏な反応でボールを弾いたが、そのルーズボールをFWニウマールが押し込んで再び同点とした。勢いで上回ったコリンチャンスは、FWニウマールがペナルティエリア内でMFゼ・エーリアス ( サントス ) のファウルを受けてPKを獲得すると、これを途中出場のFWカルロス・アウベルトが冷静に決めて86分にコリンチャンスが逆転に成功。そして、この直後に事件が起こった。

 この試合内容に激昂したサントスのサポーターがフェンスを乗り越えピッチに乱入すると暴動が勃発。国軍警察とサポーターとがスタジアムの内外で正面衝突した。ゴム弾や閃光弾を装備した騎馬隊にめがけてサポーターが石を投げ込むなど、試合ができない状態となり87分に一時中断。中断の間も暴動は続き、同試合を放送していたテレビカメラが破壊されるなど、ビラ・ベウミーロは「戦場」と化した。もはや試合は再開できない状態になり、残り時間3分を残して試合は打ち切られた。

 今年の7月31日に行われた「当初の試合」ではFWホビーニョの大活躍で 4-2 とサントスが快勝していたのだが、このとき笛を吹いていたのがエジウソン・ペレイラ・ジ・カルバーリョ容疑者だった。その試合で八百長が行われたのかは不明だが、同容疑者が笛を吹いたという事実の欠片がサントスに不幸をもたらしてしまった。サントスは、本来得ていたはずの勝ち点3を剥奪されただけでなく、この日負けたことで無効にされた勝ち点を完全に失う結果になった。さらに、87分に勃発したサポーターの大暴動に関して CBF ( ブラジルサッカー連盟 ) から「3試合の主催試合没収」の処分を受けたサントス。連覇の可能性もまだ残されてはいるが、その先行きが大変厳しいものになったことは言うまでもない。

 対するコリンチャンスは、負けていたはずの試合で結果的に勝ち点3を得る幸運に恵まれた。この試合では、テベス、ニウマール、カルロス・アウベルトと出場した前線が全員ゴールを決め、勝利に大きく貢献。もちろん彼らだけでなく、中盤や最終ラインも統率が図れており、イレブンの意思統一という点でもサントスよりも優っていた。八百長に関する判決以後、“たなぼた”で首位に浮上したコリンチャンスだが、その首位の座も確固たるものになりつつある。

 写真右上; 86分に逆転となるPKを決めたFWカルロス・アウベルト ( コリンチャンス / 写真中央 ) 。右端に小さく写っているのは短髪にしたFWニウマール ( コリンチャンス / 元リヨン ) 。
 写真左下; 87分、試合内容に激昂したビラ・ベウミーロのサポーターが、フェンスを乗り越えてピッチに乱入しようとするシーン。ここからブラジルサッカー史にも残るであろう大暴動が勃発した。


ブラジル全国選手権 2005 八百長対象再試合 (13/10/2005)
サントス 2-3 コリンチャンス
サウロ GK ファービオ・コスタ
パウロ・セーザル
アーバロス
( ホジェーリオ )
ルイス・アウベルト
クレーベル
DF コエーリョ
ベトン
マリーニョ
( ボボー )
グスターボ・ネーリ
ファビーニョ
( ルシアーノ・エンリーキ )
ゼ・エーリアス
エレーノ
ヒカルジーニョ
MF ウェンデウ
ブルーノ・オクタービオ
ホジネイ
ホージェル
( ジネウソン )
ジオバンニ
クラウジオ・ピッチブウ
( ルイゾン )
FW テベス
( カルロス・アウベルト )
ニウマール
クラウジオ・ピッチブウ 11
ルシアーノ・エンリーキ 68
ゴール 35 テベス
72 ニウマール
86 カルロス・アウベルト
ゼ・エーリアス
クレーベル
イエロー
カード
ホージェル
主審; クレーベル・ウェリントン・アバージ
スタジアム; ビラ・ベウミーロ ( サントス )


Partidos 〜試合結果〜

八百長対象再試合 vol.1 ( 2005年10月13日 )
バスコ・ダ・ガマ 3-3 フィゲイレンセ
クルゼイロ 2-2 ボタフォゴ
ジュベントゥージ 3-4 フルミネンセ
サントス 2-3 コリンチャンス
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