Copa NISSAN Sudamericana 2005 〜 コッパ・スダメリカーナ 2005 〜 停電は何を語る? 南米王者、モルンビーに振り回されて敗退。
ブラジル・グループ 2nd.Leg サンパウロ 1-1 インテルナシオナウ
コッパ・スダメリカーナは、9月1日にブラジルで2試合が行われた。サンパウロのモルンビーで行われた サンパウロ×インテルナシオナウ は、1-1 の引き分け。この結果、2試合合計 3-2 でインテルナシオナウが勝ち抜けを決定した。 試合は、降りしきる豪雨が思わぬ事態をもたらした。サンパウロは序盤からボールを支配し、DFソウザやFWマルシオ・アモローゾらのシュートで相手ゴールを脅かすシーンが見られた。そんな彼らの気迫が乗り移ったのか。先制したのはサンパウロだった。41分、右に流れたFWマルシオ・アモローゾのクロスにFWクリスチャンがヘッド。GKクレーメルが弾いたところをDFソウザが飛び込んで、先制点をあげた。この1点でリズムに乗りかけたサンパウロだったが、42分に突然真っ暗になった。なんと、豪雨の影響で停電が発生。南米屈指の巨大スタジアムの照明は、いとも簡単に落ちてしまったのである。 停電から24分が経過して試合はようやく再開されたが、サンパウロはゴール直後の勢いも気持ちも完全に失っていた。後半、FWフェルナンドン ( インテルナシオナウ ) のシュートで58分に同点弾を浴びたサンパウロ。あと1点さえ決めればPK戦に持ち込めたはずだったが、奇しくもホームスタジアムの停電が、サンパウロに傾いたはずの試合の流れを断ち切ってしまった。リベルタドーレスを制したときの面影は無きに等しく、無念の初戦敗退となった。 サンパウロは、今季のサンパウロ州選手権で優勝し、リベルタドーレスでも優勝した「南米王者」。タイトルをあと1つ獲れば悲願の三冠を達成することが可能であり、それを願うサンパウリーノの青写真は現実のものとなると誰もが思っていた。しかし、FWルイゾンを名古屋グランパスに放出すると、DFシシーニョにも移籍話が飛び出したチームの結束力は、ものの見事に崩壊。パウロ・アウトゥオーリ監督にも更迭の噂が尽きないなど、南米王者らしからぬ失態が止まらないでいる。 スダメリカーナで敗れた今、残すタイトルはブラジル全国選手権だけとなったが、こちらの優勝の可能性にもすでに赤信号が灯りつつある。サンパウロの三冠達成は、夢のまた夢に終わりそうだ。この日の停電は、それを巧みに表現していたのかもしれない。 インテルナシオナウは、昨年のコッパ・スダメリカーナで準決勝にまで勝ち進んだ強豪。そして、当時の戦力をそのままに今季も勇ましい戦いぶりを見せている。ブラジル全国選手権では首位にこそ立っていないが、首位を狙うに充分な位置につけており、今季も彼らの調子はきわめて良好である。リベルタドーレス王者を蹴散らした今、彼らが見据えているのはスダメリカーナとブラジレイロンの二冠。こちらの可能性には、おおいに期待してもよさそうだ。
写真右上; 降りしきる豪雨の中で戦う両雄。先制したのはサンパウロだったが…。
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