オールド・トラフォードに、シシーニョ現る。

　ミランへの移籍がほぼ確実と思われていたDFシシーニョ ( サンパウロ / ブラジル代表 ) が、マンチェスター・ユナイテッド ( イングランド ) とも移籍に関する交渉を行っていることが判明。ブラジルの大手スポーツ放送局「テレビ・グローボ」が、それを大々的に報じた。

　シシーニョは、先のコンフェデ杯での活躍によって欧州のビッグクラブから熱烈なラブコールを受けていた。そんな中、大先輩のDFカフーの助言もあり、来年からACミランに行く方向でほぼ話はまとまっていたのであった。しかし、シシーニョの所有権は依然サンパウロにあり、すでに移籍が完了したわけではない。つまり、他のクラブにもシシーニョを獲得するチャンスが残っているのである。

　そこに目をつけてシシーニョ獲得に向けて動き出したのが、イングランドの名門マンチェスター・ユナイテッドだったという。マンチェスター・ユナイテッドの右サイドバックは現在DFガリー・ネヴィルが担っているが、長年そのポジションを任されてきたベテランも今や30歳。昔に比べればスタミナの衰えは避けられない。そろそろ世代交代を迫られているわけだが、彼の弟のDFフィリップ・ネヴィルをエバートンに放出したことで、マンチェスター・ユナイテッドの右サイドバックは手薄になっていたのであった。

　シシーニョは現在、ブラジル全国選手権で３試合の出場停止処分を食らっている。この期間を利用してイタリア国籍を取得すべく、イタリアに渡っていた。 ( シシーニョの祖父がすでにイタリア国籍のパスポートを所有しているため、シシーニョは申請さえすればイタリア国籍を容易に取得できる。 )
　この国籍取得は、ミラン加入のための前準備だと誰もが思っていたが、それだけではなかったようだ。実際、ＥＵ圏内の選手として認められれば、シシーニョは欧州のどのクラブでも外国人枠に悩まされることがなくなるわけで、欧州でのプレイを強く希望するシシーニョにとっては「しておくべき事務」であり、それは早いに越したことはない。

　自らの足でオールド・トラフォードを訪れ、すでにマンチェスター・ユナイテッドの首脳陣とも交渉を行ったというシシーニョ。果たして、赤い悪魔とシシーニョは結ばれるのだろうか？
　そして、シシーニョ自身が思う理想のクラブチームは、ミランか？　それとも、マンチェスター・ユナイテッドか？

　写真；　「カフーの後釜に最適な選手」と評価もうなぎのぼりのDFシシーニョ ( サンパウロ ) 。現在、セレソンに合流すべくクロアチアに遠征中。