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Copa TOYOTA Libertadores 2005 〜コッパ・リベルタドーレス〜

モルンビーに舞い降りた栄光と歓喜。 サンパウロ、南米大陸の頂点に君臨!
決勝 2nd.Leg サンパウロ 4-0 アトレチコ・パラナエンセ

 コッパ・リベルタドーレスは、7月14日に決勝 2nd.Leg が行われた。ブラジルはサンパウロのモルンビーで行われた サンパウロ×アトレチコ・パラナエンセ は、絶対的な強さをみせつけたサンパウロが 4-0 でアトレチコ・パラナエンセを撃破した。この結果、2試合合計 5-1 でサンパウロが、12年ぶり3度目の王者に君臨した。

 前節引き分けと全くの五分で行われた両者の対決は、序盤から削りあう荒れた試合になった。開始早々、前線に上がったDFシシーニョが1本目のシュートを放つと、アトレチコ・パラナエンセも負けじと12分にファブリッシオが惜しいフリーキックを放つなど、両者ともゴールへの気迫を感じさせる積極的なプレイを演出した。
 試合は早々に動いた。16分、FWルイゾンのヒールパスを受けたMFダニーロのシュートを、GKジエーゴが正面でファンブル。そのクリアボールを、ゴール前で待ち構えていたFWアモローゾが頭で合わせてサンパウロが先制点をマークした。だが、それでも主導権を握れずにいたサンパウロは、前半ロスタイムにペナルティエリア内でFWアロイージオを倒してしまう。同点の絶好機を迎えたアトレチコ・パラナエンセだったが、このPKをMFファブリッシオがゴールポストに当ててしまった。アトレチコ・パラナエンセは同点に追いつくことができずに、前半を終了した。


 後半、試合をコントロールしたのはサンパウロだった。53分、MFシシーニョのコーナーキックにDFファボンがピンポイントで強烈なシュートをゴールネットに突き刺して2点目をマークすると、71分にはFWアモローゾのクロスをFWルイゾンが右足で押し込み、アトレチコ・パラナエンセを突き放した。サンパウロは、その後も畳みかけるように猛攻を繰り返し、89分にはカウンターからFWジエーゴ・タルデッリが右足を振り抜いてチームに4点目をもたらした。ジエーゴ・タルデッリの素晴らしいゴールの直後、興奮が最高潮に達したサポーター数人がピッチに乱入。収集のつかない事態になったが、主審のオラッシオ・エリソンドは得点差と時間帯を考慮してタイムアップの笛を吹き、試合を終わらせた。この瞬間、サンパウロのリベルタドーレス優勝が確定した。

 下馬評でも有利と太鼓判を押されていたサンパウロは、終わってみれば優勝に花を添える余裕の大勝だった。パウロ・アウトゥオーリ監督は戦前の発言通り3−5−2で試合に臨み、序盤から両サイドを生かした厚みのある攻撃を実現させることに成功。またDFルガーノを中心とした最終ラインも安定感があり、相手の攻撃を十二分に寸断し、付け入る隙も与えなかった。
 FWアモローゾ、FWルイゾン、MFダニーロ、MFシシーニョと攻撃陣が何かと目立ったこの日のサンパウロだったが、ピッチの中央で堅実なプレイを全うしたMFジョズエとDFルガーノの存在も忘れてはならないだろう。キャプテンとしてチームを牽引したGKホジェーリオ・セーニが目立つ場面はほとんどなかったが、それだけサンパウロが質の高い試合を演じていた証拠でもある。全てのポジションにおいて相手を上回っていたサンパウロ。この勝利は訪れるべくして訪れた必然の結果だったのかもしれない。

 大敗を喫したアトレチコ・パラナエンセの、運命の分かれ道は前半ロスタイムだった。FWリーマ、FWアロイージオの前線が徹底的に抑えこまれ、思うような決定機すら作れずにいたアトレチコ・パラナエンセにとって、前半ロスタイムのPKは願ってもないチャンスだったのである。しかし、これをMFファブリッシオが決められなかったことで、試合の流れを自分たちのほうへ引き寄せることに失敗。これが最後まで尾を引いてしまった。
 FWワシントン、MFジャジソンと主力を放出し、今季のブラジル全国選手権でもどん底にいる彼らにとって、唯一の希望であったはずのリベルタドーレス。悲願の初優勝を逃してしまった彼らに、明るい未来はあるのか。チームを建て直して昨年のような輝きを取り戻すまでには、相当の時間を要するだろう。

 この日の勝利で12年ぶり3度目の王者に輝いたサンパウロ。彼らには、11月に日本で開催される世界クラブ選手権 (旧トヨタカップ) の出場権が与えられた。この日のような強いサンパウロを、日本でも拝みたいものである。

 写真右上; 12年の時を経て南米大陸の頂点に返り咲いたサンパウロ。先制点をあげたFWアモローゾに駆け寄り、飛びつく選手たちの顔も幸せでいっぱいだった。
 写真左上; 16分、ヘディングで待望の先制ゴールをマークしたFWマルシオ・アモローゾ。イタリア、ドイツで大活躍した過去をもつ男は、ここ一番に強い。
 写真右下; 追加点となる2点目をマークしたDFファボン ( 写真中央 ) 。彼に駆け寄っているのは、DFルガーノ ( ウルグアイ代表 / 写真左 ) とFWアモローゾ。
 写真左下; 試合の運命を左右した前半ロスタイムのシーン。MFファブリッシオ ( アトレチコ・パラナエンセ ) が放ったシュートは、惜しくもゴールポストに嫌われてしまった。

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