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Primera Liga Mexicana 2005 Apertura 〜メキシコ1部リーグ〜

メキシコとブラジルの経済格差が理由? チーバスの守護神、サントス行きを否定。
GKオスワルド・サンチェス、サントスからのオファーを拒否。

 先のコンフェデレーションズ・カップでも大活躍だったメキシコ代表GKオスワルド・サンチェス ( チーバス・デ・グアダラハーラ ) に、ブラジルからオファーが届いた。オファーの主はサントス。だが、当のオスワルド・サンチェス本人は、このオファーを真っ向から拒否しているという。いったい何が原因なのか。

 オスワルド・サンチェスは、1973年生まれの31歳。絶対的な安定感を誇るメキシコ代表の正GKである。俊敏性や反射神経においては、すでに世界トップレベルの実力を兼ね備えており、先のコンフェデレーションズ・カップでは、グループリーグを3試合1失点という完璧な成績で国に貢献した選手でもある。同選手は、かの名GKカンポスと比較されるほど、国民から絶大な信頼を得ている。
 また、所属先のチーバス・デ・グアダラハーラでも大活躍。今年のリベルタドーレスでは、並居る強豪をなぎ倒しクラブ史上初のベスト4という大偉業まで成し遂げた。オスワルド・サンチェスは、まさに充実の1年を過ごしている真っ最中なのである。

 そのメキシコ No.1 ゴールキーパーに強い興味をもったのが、ブラジルの名門サントスだった。世界的にも有名な強豪クラブからのオファーに、オスワルド・サンチェスの気持ちは揺れ動くかに思われたが、そのオファーの内容が彼の首をタテに振らせなかった。サントスが提示した月給の額が、現在チーバス・デ・グアダラハーラから支給されている額のわずか60%にしか満たなかったのである。いくらサントスと言えども、これではサンチェスが納得するはずもない。

 サッカーを経済的な側面で見た場合、ブラジルとメキシコとでは大きな違いがある。それは、所属選手に給料を支払うクラブの財政事情だ。ブラジルでは、クラブの財政事情がとにかく悪すぎる。そのため、クラブが所属選手に対して給料未払い問題を引き起こすことが、日常茶飯事なのだ。全国選手権で優勝を飾ったサントスも、決して例外ではないのである。選手に対し、月々の給料を期日通り真面目に払えているクラブは、サンカエターノとコリンチャンスのたった2チームだけなのだ。
 これに相反してメキシコは、隣の経済大国アメリカを手本にして様々な産業を成長させてきた国。そんなメキシコでは、アメリカと同様スポーツに対する評価も高く、クラブの財政も比較的潤っている。ブラジルでは頻繁に発生する給料未払いも、メキシコではまずありえない。南米各国の有能な選手がメキシコ1部リーグに数多く移籍するのも、それが大きな理由なのである。

 かくして、オスワルド・サンチェスがブラジル行きを拒否したのは、きわめて妥当な判断であると言えるだろう。ブラジルのクラブチームがメキシコ人を獲得したいのなら、まず財政面の負を修復していかなければならないだろう。

 写真; メキシコ代表の正GKでもあるオスワルド・サンチェス。チーバス・デ・グアダラハーラでも活躍する守護神だ。

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