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Campeonato Brasileiro 2005 〜ブラジル全国選手権〜

サンパウロの無理なお願い。ネルシーニョに直接交渉か?
名古屋グランパスエイトにルイゾンの短期レンタルを打診?

 コッパ・リベルタドーレスで王者に輝いたサンパウロが、ある一人の選手のことで悩んでいる。先のアトレチコ・パラナエンセ戦でもゴールをあげたFWルイゾンを、12月の世界クラブ選手権の間だけ、期間限定でサンパウロに連れ戻したいとの意向を示したのだ。以前から移籍を志願していた当のルイゾン本人は、すでに名古屋グランパスエイトへの加入に意欲充分とのこと。しかし12月に一時的にサンパウロに戻ることに関しては、まだ何のコメントもない。交渉は難航の様相を呈している。

 ルイゾンは、2002年の韓日W杯でセレソンの一員として訪れた点取り屋。出場機会にこそ恵まれなかったが、フェリッポン ( ルイス・フェリッピ・スコラーリ前セレソン監督 ) に認められたその実力には、誰も不可をつけない実力のある選手だ。FWホナウド、MFジュニオール、MFバンペッタ、GKジーダらと特に仲がよく、その情熱的な性格からサポーターに深く愛される選手でもある。
 だが、新戦力として期待された今年のサンパウロ州選手権では、エメルソン・レオン前監督との確執から、出場機会に恵まれず、2月頃から移籍を志願していた。そのレオンがチームを離れ、FWグラフィッチの故障も重なり、試合に出る機会が増えたルイゾンは、新監督のパウロ・アウトゥオーリ氏から絶大な信頼を受けリベルタドーレスで大活躍を果たした。しかしながら、それでもなお彼の移籍への意欲が損なわれることはなかったらしい。敬愛するネルシーニョ監督の下、名古屋でプレイすることが彼にとって最良だと決断したルイゾンの気持ちは揺らいでいないようだ。

 しかし、それに納得していないのがサンパウロの首脳陣。リベルタドーレスでの際立った活躍を受け、彼がチームに必要な選手だと改めて感じた彼らは、ここにきてルイゾンの日本行きに難色を示し始めたという。サンパウロのジュベーナウ・ジュベンシオ副社長は、地元メディアに対して次のように語った。
 「ルイゾンは、好調のサンパウロを離れることについて迷っているはずだ。そして我々もまたルイゾンを手離したくはない。こうなれば世界クラブ選手権の1ヶ月前から、同選手権が終わるまでの約1ヶ月間だけ、ルイゾンをサンパウロに戻す方向で、名古屋グランパスエイトおよびブラジル人監督のネルシーニョ氏と交渉していくつもりだ。世界クラブ選手権でも優勝を狙う我々にとって、ルイゾンは欠かせない。」

 だが、そんな副社長の意向とは裏腹に、ルイゾンの代理人は「なぜ名古屋グランパスに所属する選手が、サンパウロの一員として復帰することになるんだ?そんな不可解な要求は受け入れられない。」と断固拒否の姿勢を崩していない。また、名古屋グランパスエイト監督のネルシーニョ氏も「Jリーグは12月半ばまで試合が残っている。そしてその後には天皇杯も戦わなければならない。そんな大事な時期にルイゾンを貸し出すなどもっての他だ」と、こちらも拒絶一辺倒だそうな。

 かくして、サンパウロのわがままをネルシーニョおよび名古屋グランパスが受け入れるのだろうか。その答えは、12月になってみないことにはわからない。

 写真; サンパウロの躍進を支えたFWルイゾン。先のリベルタドーレス決勝でゴールを決め、涙した熱い男である。

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