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Primera Liga Argentina 2004/2005 Clausura 〜アルゼンチン1部リーグ〜

リーベルの新陳代謝 エル・マタドールは祖国へ。代わって新星オベルマンが加入。
リーベル・プレートのオフシーズン補強

 サントスに限らず、隣国アルゼンチンでも主力放出に悩むクラブがある。同国屈指の名門リーベル・プレートは、MFルイス・ゴンサーレス、MFハビエル・マスチェラーノ、DFトゥッシオに加えて、FWマルセーロ・サラスも放出することが決まった。一方で、彼らに代わる新戦力も続々とリーベルに加入している。2004-2005 シーズンを無冠で終えてしまったリーベルは、来月から開幕する 2005-2006 シーズンでどのような変貌を遂げるのだろうか。

 2004年のオフシーズンに、チームの得点源だったFWフェルナンド・カベナーギを引き抜かれたリーベルは、2004-2005 の前期こそ首位に勝ち点3差の3位と健闘したが、コッパ・スダメリカーナでは格下アルセナルに敗れてしまった。だが、巻き返しを図った後期では、リベルタドーレスにウエイトを置きリーグを捨てたにもかかわらず、そのリベルタドーレス準決勝でサンパウロに叩きのめされてしまい、この1年を無冠で終えてしまったのである。
 戦力そのものに非はなかったはずのリーベルが無冠に終わったことについて、MFガジャルドがアストラーダ監督やクラブ首脳陣について批判的なコメントを残すなど、波紋も広がりかけている。それもそのはず。ここ3週間足らずで、次々と主力がチームを去っていったからだ。

 まず、後期リーグ終了直後にコリンチャンス ( ブラジル ) に移籍したMFマスチェラーノ。今やアルゼンチンの5番として欠かせない至高のボランチの放出は、誰の目にも戦力ダウンである。さらに、MFルイス・ゴンサーレス、DFトゥッシオ、DFディオーゴなど、チームの主軸が相次いで移籍する非常事態が発生。また、入団を決めたはずのMFマティアス・アルメイダが突如引退を表明する「事故」まで起こった。そしてきわめつけは、FWマルセーロ・サラスの移籍だった。
 90年代後期、リーベルで一世を風靡したサラスは、欧州での経験を経て今季から再びリーベルに復帰したチリ代表のストライカー。アクロバティックなプレイやゴールの数々は、リーベルプラテンセにこよなく愛されていた。だが、そんな彼も娘の将来など家族の事情を理由に、祖国チリのウニベルシダー・デ・チリへの移籍を決断。しかし本当のところ、サラスはリーベルと金銭面で折り合いがつかず退団を決意したとのこと。おそらく、もう二度とエル・モニュメンタルでサラスを拝むことはないだろう。

 このオフシーズンでのリーベルの主力放出は、かつてない大規模なものだった。ファンからは不安視する声が続々と上がった。しかし、そこはアルゼンチン屈指のお金持ちクラブ。それで終わるはずはなく、新戦力も次々に獲得しはじめている。

 まずは、サン・ロレンソからMFホナタン・サンターナを獲得した。比較的守備に長けている彼は、おそらくマスチェラーノの後釜として使われる線が強い。そして、バンフィエールからはFWアンドレス・サン・マルティンを獲得した。彼はFWサンとのトレードによりリーベルに加入。背も高く、空中戦では期待したい選手だ。そして、現在一番の目玉となっている補強は、FWグスターボ・オベルマンであろう。オベルマンは、アルヘンティノス・フニオールスでの活躍が認められ、今年オランダで行われたFIFAワールドユースでも代表に選ばれた逸材。当然周囲の期待も強く、早ければ来月の開幕戦でFWファリアスとコンビを組むかもしれない。

 サッカーは「新陳代謝のスポーツ」。古くなった角質が落ちて新しい細胞が育つ人間の肌と同じように、リーベル・プレートもまた新陳代謝を行っているところなのだろう。しかし、この新陳代謝が結果に結びつくかどうかは別問題。ここまでは、無冠に終わった雪辱を晴らすための「人事」に過ぎない。

 写真; 後期最終節の試合終了後、スタンドのサポーターに挨拶をするリーベルのイレブン。この写真に写っている選手のうち、実に半分以上がリーベルを離れてしまった。

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