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FIFA World Cup 2006 〜FIFAワールドカップ2006南米予選〜

目指す先にあるものは翌年の世界制覇。 アルゼンチン、快勝でW杯出場決定!
第15節 アルゼンチン 3-1 ブラジル

 2006W杯の南米予選は、6月8日に第15節が行われた。アルゼンチンの首都ブエノスアイレスにあるエル・モニュメンタルで行われた南米予選の首位攻防戦 アルゼンチン×ブラジル の頂上対決は、気迫で上回った首位アルゼンチンが宿敵ブラジルを粉砕。ホームで勝ち点3を得た。この結果、予選4位以内が確定したアルゼンチンは、南米勢でワールドカップ本大会出場一番乗りを果たした。

 世界最高水準の地区予選、南米大陸の首位をひた走る者たちならではの余裕が、そこにはあった。満員御礼となったエル・モニュメンタルで行われた同試合は、クレスポ、リケルメといったペッケルマンの申し子たちが次々に結果を出した。
 開始早々の4分、早速アルゼンチンが先制点を叩き込んだ。MFルイス・ゴンサーレスの綺麗なスルーパスを受けたFWクレスポが、得意の右足を豪快に振り抜いてゴールネットを揺らした。GKジーダの左手をかすめる鋭い弾道の力強いシュートだった。先制したことで、さらに勢いを増したアルゼンチンは、18分にMFリケルメが左足でミドルシュートを放つと、ボールは鮮やかな弾道を描いてゴールネットに吸い込まれた。リケルメのゴラッソーなゴールで完全に試合の主導権を握ったアルゼンチンは、さらに40分にも、セットプレーから最後はFWクレスポが頭で合わせて、ブラジルを突き放した。
 後半も終始ブラジルを翻弄していたアルゼンチンは、57分に訪れたセレソン怒涛の波状攻撃にも全員守備で得点を与えないなど、守備でも非常に集中力のあるプレイをしてみせた。ブラジルは、71分にDFホベルト・カルロスが豪快な弾道のフリーキックを直接ゴールに突き刺して一矢を報いたものの、ほぼ完敗ともいえる内容でブエノスアイレスを後にした。

 ホセ・ペッケルマンには並々ならぬ危機感があった。前節、主力を大量に温存したアルゼンチンは、ペッケルマン政権初の敗戦を喫した。キトで無惨な姿を晒したペッケルマンには、国内の至るところから非難轟々だったという。しかし彼は、宿敵との対決を迎えてクレスポ、サビオラ、リケルメ、ルチョ、マスチェラーノ、エインセとベストメンバーで大一番に臨んだ。ペッケルマンのこの試合への意気込みは「本物」だった。そして、昨年の 0-3 という屈辱的な敗戦を払拭するにふさわしい見事な勝利を得たアルゼンチン。ユース監督時代の教え子でもあるクレスポ、リケルメの2人で3点をあげ、W杯出場を決めたこの日の勝利は、ペッケルマンにとってはもちろん、アルゼンチン国民にとっても、きっと忘れられない試合になったに違いない。

 一方でカルロス・アウベルト・パヘイラは、明らかに頂上決戦を甘く見ていた。「アルゼンチン戦は親善試合のようなものだよ」と語ったことが、結果セレソンにとって最悪の結末を招いた。61分には、FWホビーニョに代えてMFヘナットを投入するなど、拍子抜けの采配すら見られたセレソン。エースのホナウドを予選に呼ばず、ホナウジーニョ・ガウーショをタイトなマークでつぶされると、ボランチ投入のためにホビーニョを下げるお粗末な言動を数々起こしたパヘイラに対して、ブラジル国内メディアは一斉に非難を浴びせた。だが、最たる敗因は、MFカカーとMFホナウジーニョ・ガウーショの2人が徹底的に抑えられてしまったことにある。ブラジルにとってもまた、この日は忘れられない試合になってしまった。

 結局、この大一番は、監督の捉え方の違いがそのまま結果に現れた。ドイツへの切符を手に入れたアルゼンチンに対し、勝ち点を伸ばせなかったセレソンの背後には、3位エクアドルの足音が近づいている。
 アルゼンチン×ブラジル。世界中のサッカーファンを魅了する両者の真剣勝負は、来年のワールドカップ本番までお預けとしよう。

 次節、第16節は3ヵ月後の9月3日に行われる。

 写真右上; 3-0 とした前半40分のFWクレスポのゴールを祝うMFソリン ( 写真上 ) らアルゼンチン・イレブン。
 写真左下; この日2点を叩きだして、同試合のMVPにも輝いたFWエルナン・クレスポ。
 写真右下; 成す術も無く敵地で敗れた世界王者ブラジル。思いもよらぬ失態に、苦悩の色を隠せないでいた。

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