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FIFA World Cup 2006 〜FIFAワールドカップ2006南米予選〜

恐るべしキトの標高。「エクアドル神話」の前にアルゼンチン屈服。
第14節 エクアドル 2-0 アルゼンチン

 2006W杯の南米予選は、6月4日に第14節が行われた。エクアドルの首都キトのエスターディオ・アタウアールパで行われた エクアドル×アルゼンチン は、3位のエクアドルが首位アルゼンチンを完封するパーフェクト・ゲームを演出。得意の高地キトで勝ち点3を獲得した。

 試合は、MFパブロ・アイマール、FWルシアーノ・ガジェッティらの積極的なプレイで、序盤こそアルゼンチンが主導権を握りつつあった。しかし、後半に入るとエクアドルが盛り返し始めた。
 53分、DFネイーセル・レアスコがオーバーラップを仕掛け、ドリブルでアルゼンチン守備陣を翻弄。そのレアスコのラストパスを、後半から出場のFWクリスティアン・ラーラがゴール左隅に流し込んでエクアドルが先制した。
 湧き上がるアタウアールパの大声援を背に俄然勢いを増したエクアドルは、FWガジェッティ&FWテベスの強力2トップに仕事をさせなかった。90分にもFWアウグスティン・デルガードで追加点をあげたエクアドルが、勝ち点を23に伸ばして、暫定ながら2位ブラジルに勝ち点1差に迫った。

 エクアドルは、ホームのキトでは実力以上の強さを発揮する。この南米予選でも、13試合中7試合をキトで戦っているが、6勝1分といまだ負けなしなのだ。そして同予選8試合目のホームゲームとなったこの日も、もっか予選首位のアルゼンチンを下して、無敗記録を伸ばした。2,850mの標高なら、ブラジルにもアルゼンチンにも負けない。そんなエクアドル神話は、健在である。

 キトには魔物が住んでいる。試合後にそう語ったのは、ホセ・ペッケルマン監督だった。就任以来無敗でここまで来ていたが、初の敗戦がW杯本大会出場をかけた試合とあって、ペッケルマンは動揺を隠しきれなかったようだった。あくまで敗戦が自分たちにないと言っているが、予選を通じて好調を維持していたMFリケルメ、FWサビオラ、MFハビエル・マスチェラーノらを欠いた布陣で試合に臨んでは勝てるはずもない。守備的だった己を恥じて、31分にはFWテベスも投入して攻撃的な戦術に変えたが、それも変化には結びつかなかった。

 この敗戦によってアルゼンチンは、開催国ドイツを除いた国の中で本大会進出一番乗りを果たすことができず、そのチャンスは次節に持ち越された。予選突破とならなかったアルゼンチンを尻目に、もしかすると日本代表が本大会一番乗りを果たすかもしれない。

 写真; 53分に先制点をマークして大喜びのFWクリスティアン・ラーラ。

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