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Copa TOYOTA Libertadores 2005 〜コッパ・リベルタドーレス〜

「無意味な大会」に主力を奪われたサントス。準々決勝で散る… 
準々決勝 2nd.Leg サントス 0-2 アトレチコ・パラナエンセ

 コッパ・リベルタドーレスは、6月15日に準々決勝 2nd.Leg が行われた。サントスのビラ・ベウミーロで行われた サントス×アトレチコ・パラナエンセ は、FWアロイージオの2ゴールでアトレチコ・パラナエンセがサントスを完封。この結果、2試合合計 5-2 でアトレチコ・パラナエンセがベスト4進出を決定した。まさかの結果に、ビラ・ベウミーロは一時騒然となった。

 試合は、全員攻撃体勢のサントスが序盤から前へ前へと攻めあがった。だが、サントスの大逆転を信じて詰めかけた大観衆を前にしても、アトレチコ・パラナエンセはひるまず積極的に試合を組み立てていた。先制したのはなんとアトレチコ・パラナエンセだった。16分、マークについたMFゼ・エーリアスを振り切ったFWアロイージオが、GKマウロの動きを冷静に見ながら落ち着いてゴールを決めたのだ。焦ったガロ監督 ( サントス ) は20分、MFチェコに代えてFWファビアーノを投入したが、その効果は全く現れることなく前半を終了した。
 この時点で最低2点が必要だったサントスは、前半の失点のきっかけをつくったMFゼ・エーリアスに代えてMFドウグラスを投入。しかしその采配もむなしく、53分、FWアロイージオにこの日2点目となるゴールを決められたサントスは、残りの38分間で3点もとらなければならなくなった。FWデイビッジが焦っていた。MFヒカルジーニョも焦っていた。そして、誰よりも焦っていたのは監督のガロだった。己の采配ミスを悔いていたガロ監督は、前半途中に投入したFWファビアーノを下げて、MFウィリアムを投入。4-3-3 から 4-4-2 へと戻して反撃を狙った。しかし、サントスの必死の反撃もゴールに結びつけることはできなかった。

 ビラ・ベウミーロであれだけ強かったサントスが1点もとれなかったのは、切に今季のサントスのキーマンともいえる二人の選手が、FIFAコンフェデレーションズカップ出場でセレソンに吸い取られたことに起因していた。サッカー先進諸国では、こぞって「無意味な大会」とみなされているコンフェデレーションズカップの日程が、皮肉にもリベルタドーレスと重なっていたのだ。サントス側は、二人をコンフェデ杯から辞退させんと必死になった。だが、CBFとパヘイラ監督は、決してクビをタテに振ることはなかった。
 鋭い動きで攻め上がり左サイドから何度も決定機を作り出せるDFレオ、そして2002年以来チームの大黒柱として大活躍のFWホビーニョが、リベルタドーレスの山場に出場できなかったのだから、敗退も致し方ない。

 対するアトレチコ・パラナエンセは、ブラジレイロンを捨ててリベルタドーレスに的を絞ってきていた。FWワシントンが離れ、MFジャジソンが抜けた満身創痍の同軍を救ったのは、FWリーマとFWアロイージオの2トップだった。とくにアロイージオは、敵地で2点を叩き出し、サントスの野望を打ち砕く大仕事をやってのけたのである。

 かくして、ベスト4進出を決めたアトレチコ・パラナエンセ。ブラジル全国選手権で現在最下位の同クラブは、リベルタドーレスにふさわしいクラブなのだろうか?
 そして、ここで敗退したサントスには、さらなる不幸が待ち構えている。「リベルタドーレス終了まではホビーニョを出さない」と断言していたサントスに今、欧州ビッグクラブの足音が忍び寄っている。サントスの至宝ホビーニョが海外に出ていく日は、遠い日の話ではない。

 写真; 逆境に打ち勝って2点を叩き出したFWアロイージオ ( アトレチコ・パラナエンセ / 写真右 ) 。悲願の南米制覇に向けて、余念はない。

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