パウメイラス、バグネール・ラブ獲得に向けて動き出す。

　サンパウロ州選手権で無惨な結果に終わり、そしてコッパ・リベルタドーレスでも敗退が決まっているパウメイラスは現在、シーズン半ばにもかかわらず大掛かりなチーム改革に着手している。既存の選手を大量解雇する方針も打ち出し、代わって資金を投入して新戦力を獲得するという。

　6月1日現在でも、一部の選手がすでに解雇されているパウメイラス。彼らが新戦力として獲得をもくろんでいるのが、なんとCSKAモスクワのFWバグネール・ラブだという。

　バグネール・ラブといえば、コリンチャンスが一時獲得寸前まで話をつめていた選手である。このときは、土壇場でCSKAモスクワ側のゴリ押しでなきものにされたコリンチャンス。皮肉にも、バグネール・ラブはその後CSKAモスクワでUEFAカップ優勝に大きく貢献する活躍を、CSKAモスクワで見せている。
　ブラジルサッカー協会会長の心をも動かす未来のエースを待ち望む声は、いまだブラジル国内に根強い。２月に獲得できなかったコリンチャンスは、今もなおバグネール・ラブの獲得を諦めてはいない。そこに、宿敵パウメイラスが、バグネール・ラブの獲得に名乗りをあげたことから、コリンチャンス首脳陣は、焦燥感を隠せないでいる。

　コリンチャンスの因縁の宿敵とされるパウメイラスは、もともとバグネール・ラブをスターダムにのし上げたクラブなのだ。2003年、当時ブラジレイロン２部にいたパウメイラスの、１部昇格の立役者がこのバグネール・ラブだった。ゴール前でみせる抜群の得点嗅覚に加えて、相手DFとの競り合いにも負けない強さや、スピードも兼ね備えたパーフェクトな点取り屋である。あの頃の爆発的な得点力をもう一度…そう願うパウメイラスにとって、バグネール・ラブほど欲しい選手はいないのである。

　かくして、バグネール･ラブは、コリンチャンス、パウメイラスのどちらを選ぶか？はたまた、来季もCSKAモスクワに残留するのだろうか？　永遠の宿敵として互いを意識する両クラブの間で今、彼の動向に今、注目が集まっている。

写真；　UEFAカップでも大爆発のバグネール・ラブ。類稀な得点嗅覚をもつ彼を欲しがるクラブは、なにもコリンチャンス、パウメイラスに限ったことではない。