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Copa TOYOTA Libertadores 2005 〜コッパ・リベルタドーレス〜

リベルタドーレスで今季初の逮捕者! 最悪の場合、懲役の可能性も?
グループリーグ第4節 グループ3 サンパウロ 3-1 キルメス

 コッパ・リベルタドーレスは、4月13日にグループ3の第4節が行われた。サンパウロのモルンビーで行われた サンパウロ×キルメス は、FWジエーゴ・タルデッリの2ゴールなどでサンパウロが勝ち点3をおさめた。が、試合中にまたもキルメスの選手が人種差別発言を繰り返し、名誉毀損罪で御用となる異例の事態まで飛び出した。

 互いに譲らない試合展開となった。試合は、序盤からサンパウロが攻勢に出たが、キルメスの献身的な守備の前になかなかゴールを割ることができなかった。その3日前、ポンチ・プレッタを相手に州選手権初の黒星を喫したときの悪い流れをそのままひきずっているイレブンを見て、激怒したのは監督のエメルソン・レオン ( 元ブラジル代表監督 ) だった。サイドラインいっぱいに出ての彼の叱責で、ようやくサンパウロは目を覚ました。31分、FWジエーゴ・タルデッリがGKポンティローニ ( キルメス ) の頭上を越えるシュートを決めて、先制した。FWジエーゴ・タルデッリは53分にも、この日2点目となるゴールを決めるなど、この試合一番の活躍をみせていた。
 だが、エメルソン・レオンの怒りは一向におさまらなかった。FWルエーダ ( キルメス ) に決められた55分の失点の「取られ方」が、気にくわなかった。FWルエーダをキーパーと1対1にさせたDFルガーノ ( サンパウロ ) ら守備陣の連携ミスが、先のポンチ・プレッタ戦での失点と似通っていたからだった。
 どちらに転ぶか予想もつかなかった試合の結末は、81分にGKホジェーリオ・セーニのフリーキックから最後にMFシシーニョが押し込んで、キルメスを沈黙させた。

 試合そのものはスムーズに進められたが、この試合でまたもキルメスの選手が人種差別発言を発したため、試合後に警察が介入するという異例の事態が生まれてしまった。後半、キルメスの自陣内で突然口論が起こり、試合は一時中断。主審マルティン・バスケスが、FWグラフィッチ ( サンパウロ ) および彼を突き飛ばしたMFアラーノ ( キルメス ) を喧嘩両成敗で退場させた。
 このとき、『DFレアンドロ・デサバット ( キルメス ) に「黒い猿」発言を連呼された』とFWグラフィッチが周囲に訴えたため、事態を重くみた関係者がサンパウロ州警察に通報。試合後、DFレアンドロ・デサバットは駆けつけた警察に逮捕され、ユニフォーム姿のまま暑に連行されたのである。サンパウロ州当局の取調べに対し、デサバット本人は大筋で容疑を認めているとのことで、最悪の場合1〜3年の懲役刑の判決が下される可能性もあるという。

 キルメスには、DFネルソン・ビバス、MFマティアス・アルメイダなど往年の元アルゼンチン代表選手も所属しているのだが、彼らベテランの「教育」は隅々まで行き届いていないようだ。

 写真; 2ゴールをあげたFWジエーゴ・タルデッリ。昨年から着実に成長を遂げている点取り屋である。

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