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Campeonato Paulista 2005 〜サンパウロ州選手権〜

伝統のクラシコはエンパテ。 サンパウロに9度目の栄冠!
第17節 サントス 0-0 サンパウロ

 サンパウロ州選手権は、4月3日に第17節が行われた。モジ・ミリンのウィウソン・ジ・バーロスで行われた「クラシコ」 サントス×サンパウロ は、スコアレスドローに終わった。首位サンパウロはまたも勝ち点3を逃したが、同時刻に行われた2位コリンチャンスもスコアレスドローに終わったため、この瞬間サンパウロの優勝が決定した。

 昨年、全国選手権をそれぞれホームで1勝ずつ分け合った両者がぶつかったこの試合の舞台は、どちらのホームでもない「ウィウソン・ジ・バーロス」だった。同試合は当初、サントスのホーム「ビラ・ベウミーロ」で行われる予定だったのだが、サンパウロ州サッカー協会の意向で試合会場が急遽変更になった。ビラ・ベウミーロでサンパウロの優勝が決まれば、サントスのサポーターが暴動を起こすだろうことを危惧しての決定だった。だが、モジ・ミリン市議会やサンパウロ州警察当局は、「モジ・ミリンで暴動を起こされては困る」とこの決定に大反対。同試合は、行政や司法までをも巻き込んだ一触即発の緊迫感の中で行われたのだった。

 宿敵を撃破して優勝を決めたいサンパウロと、是が非でも優勝を阻止しなければならないサントス。栄光に近い側に分があった。試合は、20分にFWグラフィッチ ( サンパウロ ) を後からタックルしたとして、DFアリソン ( サントス ) が2枚目のイエローカードで退場。劣勢に立たされたサントスに勝利を狙うだけの余裕はなかった。しかしながら、約2ヶ月ぶりに戦列に復帰したGKエナオ ( サントス ) を軸にサントスは、身体を張った守備でサンパウロにゴールを割らせないことに全力を注いでいた。思うような形をつくれなかったサンパウロの前半唯一の決定機は、32分にFWジエーゴ・タルデッリがGKエナオと1対1になった場面だったが、これもまたGKエナオが身体を寄せてゴールを死守した。W杯予選にも参加したFWホビーニョは、ハードスケジュールを言い訳にせず好プレイを連発。実力拮抗の対決は無得点のまま、前半を終えた。
 監督がオズワウド・ジ・オリベイラからガロに交代したばかりのサントスは、明らかに焦っていた。56分、MFファービオ・バイアーノをペナルティエリア内で倒したDFファボンのプレイにファウルをとらなかったことに対して、FWデイビッジが主審に猛抗議するシーンもあった。逆転優勝にかすかな望みをつなぎたいサントスには、勝利が至上命題だった。だが、安定感抜群のサンパウロ守備陣の前に、ホビーニョもデイビッジも沈黙。最後までゴールを割ることはできなかった。サンパウロもまた、GKホジェーリオ・セーニがフリーキックを直接狙うなどチャンスもつくったが、ゴールを割ることはできなかった。

 サンパウロは17試合を13勝3分1敗という圧倒的な強さで、今年の州選手権を席巻した。際立っていたのは、破壊力抜群のサイド攻撃だった。ジュニオールとシシーニョが積極的に動いて、それぞれ両サイドを制した。サイドから攻撃を組み立てられるチームは、やはり強い。タレント性豊富なメンツをバランスよく統率したエメルソン・レオンの手腕は、国内でも高い評価を得ている。また、エメルソン・レオンは、監督として初めて優勝を飾ることに成功した。

 サントスは開幕当初こそ首位を走っていたが、MFエラーノ放出後は鋭かった攻撃もすっかり影をひそめた。オズワウド・ジ・オリベイラ監督は決して悪いサッカーをしていたわけではなかったが、州選手権優勝を逃したという理由だけであっけなく更迭され、チームの結束は崩壊してしまった。唯一の収穫は、久々にピッチに戻ってきたGKエナオの活躍だった。彼は、右サイドのMFパウリーニョのクロスをFWグラフィッチのヘディングシュートにも俊敏な対応をみせていた。

 サンパウロが9度目の優勝を決めた今年のサンパウロ州選手権。他の各州選手権も佳境を迎え、4月下旬からはブラジル全国選手権が始まる。ブラジル国内のインターネット投票では、2005年ブラレイロン優勝に最も近いクラブチームに「サンパウロ」を挙げる人が圧倒的多数を占めている。

 写真; 州選手権優勝を決めたサンパウロ。GKホジェーリオ・セーニの表情も喜びに満ちている。

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