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Campeonato Paulista 2005 〜サンパウロ州選手権〜

“愛弟子”三浦泰年のラブコールに完敗… サンパウロ州を制した名将、神戸へ。
エメルソン・レオン元ブラジル代表監督、再びJリーグに参入。

 優勝の余韻に浸っていたはずのモルンビーに激震が走った。元ブラジル代表監督のエメルソン・レオンが、Jリーグ1部のヴィッセル神戸の新監督に就任することが判明。今年のサンパウロ州選手権で、サンパウロを通算9度目の優勝に導いた名将の突然の移籍に、周囲は動揺をあらわにした。

 サンパウロにとっては、突然の「訃報」でしかなかった。サンパウロ州選手権の全日程を終えた翌日、18日の夜に突如舞い込んだニュースに驚いたのは、サンパウロFCの幹部や選手たちだった。同日の昼間にもエメルソン・レオンは、同クラブの練習の指揮をとっていたため、そのレオン氏がクラブを離れるなど、誰もが予想だにもしていなかったのだ。
 これを受け、マルセーロ・ゴウベーア会長も「私は何ひとつ聞いてなかった。リベルタドーレスもブラジレイロンも、レオンがいれば優勝は安泰だと思っていたのに、いったいどういうことなんだ!」と憤ったという。

 サンパウロは、先のサンパウロ州選手権では無敗で優勝を飾っただけでなく、リベルタドーレスでも無敗のまま現在グループ首位と、きわめて完璧なチームを構築していた。その立役者が、エメルソン・レオン監督だったのである。ジュニオール ( パルマでは中田英寿のチームメイト ) とシシーニョという強力なポテンシャルを武器に、彼のこだわるサイド攻撃を正確に体現させていた。ブラジル国内では「攻守ともに完璧」と絶賛を受けていたサンパウロを、エメルソン・レオンが手離した理由はいったい何だったのか?

 その最大要因となったのが、なんとある日本人の存在だった。数年前、清水エスパルスやヴェルディ川崎を指揮していた当時のエメルソン・レオン氏の愛弟子であったDF三浦泰年 ( カズの実兄 ) が、不振にあえぐヴィッセル神戸の建て直しを依頼するために、わざわざサンパウロにまで渡航し、レオン氏に直談判したというのだ。彼の熱烈なラブコールに圧された形で、エメルソン・レオン氏は再びJリーグで指揮をとることを決断したとのこと。
 元ブラジル代表監督の就任を喜ぶヴィッセルを尻目に、サンパウロでは批判的な意見が飛び交っている。昨年末にルシェンブルゴを手離したことで州選手権優勝を逃したサントスと同じ轍を踏みたくない、というのがもっぱらの意見だが、今のところサンパウロがそれに近い轍を踏む可能性は、きわめて高いと思われる。

 写真; 昨年、全国選手権でサンパウロが息を吹き返したのを受けて、国内メディアの取材に応じていた当時のエメルソン・レオン監督。

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