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FIFA World Cup 2006 〜FIFAワールドカップ2006南米予選〜

鳴り止まなかった「ホビーニョ」コール。 セレソンに求められるは世代交代?
第12節 ブラジル 1-0 ペルー

 2006W杯の南米予選は、3月26〜27日に第12節が行われた。ブラジルのゴイアス州首都ゴイアニアのエスタジオ・セーラ・ドウラーダで行われた ブラジル×ペルー は、MFカカーの決勝弾でブラジルが辛くも勝利を収めた。

 首位アルゼンチンを勝ち点差2で追いかける2位ブラジルは、FWアドリアーノを負傷で欠く中、ほぼベストメンバーと言える布陣で臨んだ。当然ながら、トップにはFWホナウドがいたのだが、彼の調子が今ひとつだった。絶好の決定機で空振りするなど、ホナウドらしからぬプレイを連発しており、彼自身もときおり苦い表情を浮かべていた。格下ペルーに攻め込まれる場面も何度かあった前半、スタンドを黄色く染めた49,163人の大観衆からは、ベンチを温めていたある選手を呼ぶ声が次第に大きくなっていった。そのリクエスト第1位は、20歳のFWホビーニョ。彼らの「ホビーニョ」コールは、得点を奪えないホナウドに対する不満の現れでもあったのだ。

 場内の空気に呑まれたのか、パヘイラ監督は、0-0で迎えたハーフタイムにMFジュニーニョ・ペルナンブカーノに代えてFWホビーニョを投入。この選手交代で自分たちのリズムをつかみ始めたセレソンは73分、FWホナウドのスルーパスに抜け出したMFカカーが右足で豪快に叩き込んで先制し、どうにかこうにか世界王者としての面目を死守することに成功した。だが、前節のエクアドル戦惜敗以降、セレソンはうまく噛み合っていないようである。

 ここ数年のセレソンでは世代交代が顕著に進んでいる。ここ1年ほどでMFカカーら有能な若手が続々と代表入りする一方で、南米予選第3節 ( 2003年11月 ) では10番をつけていたFWヒバウドはかれこれ1年ほど代表からお呼びがかかっていない。年齢的には今が熟しているはずのFWホナウド ( 28歳 ) も、今季は不調をきわめており、国内外から「もうセレソンにホナウドはいらない」という声もある。

 ライバルのアルゼンチンでは、昨年のコッパ・アメリカやアテネ・オリンピックを契機にスムーズな世代交代を図り、それらは今のA代表の糧になっている。片やブラジルは、世代交代を自らで拒んだ結果が、これだ。「B代表」と揶揄された若手国内組でコッパ・アメリカ優勝を飾りながら、パヘイラはなぜ彼らをもっと生かさないのか。ここに気づかない限り、セレソンはアルゼンチンの後手を踏み続けるだろう。

 次節 ( 3月30日 ) 、ブラジルはウルグアイと対戦すべくモンテビデオに乗り込む。

 写真; 62分、スタンドの観客をあおって応援を促すFWホビーニョ。セレソンのユニフォームも板についてきた感がある。

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