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FIFA World Cup 2006 〜FIFAワールドカップ2006南米予選〜

〜郷に入らば郷に従え〜 知将ペッケルマンの「作戦勝ち」。
第12節 ボリビア 1-2 アルゼンチン

 2006W杯の南米予選は、3月26〜27日に第12節が行われた。ボリビアの首都ラ・パスのエスターディオ・エルナンド・シーレスで行われた ボリビア×アルゼンチン は、若手主体で臨んだアルゼンチンが逆転勝利をおさめ、予選首位を堅守した。

 最下位ボリビアの健闘が光った同試合は、高地慣れしているボリビアがアルゼンチンを相手に互角のサッカーを展開。FWカスティージョがクロスバーを直撃する強烈なシュートを放てば、MFガリンドが中央から鋭いスルーパスを通してアルゼンチン守備陣を脅かすなど、テンポ良く攻撃を組み立てていた。0-0 で折り返した49分には、MFエルウィン・サンチェスのクロスにFWカスティージョが合わせてボリビアが先制した場面でも、ボリビアの厚い攻めがあってのものだった。
 だが、その9分後に同点とされると、途端に勢いを失い、63分には逆転を許してしまった。逆転負けで勝ち点を失ったボリビアは、残り6試合となった現在も依然最下位のまま。ボリーバルやテ・ストロンヘスなどクラブレベルでは他国に劣らないボリビアも、こと代表となれば話は別のようだ。

 一方でラ・パスに乗り込んだアルゼンチンには、環境に左右されない強さと選手層の厚さが感じられた。前半こそボリビアに押される場面もあったが、試合観をつかむと主導権を一気に自分たちのほうへと引き寄せた。
 FWフィゲロアの同点弾が決まった58分からFWガジェッティの逆転弾までの、わずか5分で形成を逆転させたアルゼンチン。富士山の山頂付近と同じ 3,600mを超える標高での「作戦」を事前に練っていた知将ペッケルマンの的確な采配が、的確な形となって的確に結果に結びついた。酸素の薄さを想定していたこの日のアルゼンチンは、FWクレスポ、DFサムエル、MFリケルメらベテランを温存。司令塔にMFダレッサンドロを置くなど、スタミナで優る若手主体で試合に臨んだ。スタミナを消耗しやすい高地では、あえてベストメンバーで臨まず勝つ“したたかさ”すら垣間見えた。
 ― 郷に入らば郷に従え ― 世界王者に欠けているものを、宿敵はすでに兼ね備えているようだ。

 この勝利で、アルゼンチンは勝ち点を25に伸ばして、南米予選首位を堅守している。次節 ( 3月30日 ) 、アルゼンチンはホームでコロンビアと対戦する。

 写真; 長髪をバッサリと切り落としたFWフィゲロア ( 写真右 ) 。彼のスキンヘッドが逆転の口火となるゴールを生んだ。

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