第10節　サンパウロ 1-0 コリンチャンス

　サンパウロ州選手権は、2月22〜23日に第９節が行われた。エスタジオ・デッシオ・ビッタで行われた ヒオ・ブランコ×サントス は、サントスが快勝。その主役は、言うまでもなくFWホビーニョだった。

　サントスには、昨年充実のシーズンを過ごしたMFヒカルジーニョ ( 元ブラジル代表 ) も戦列に復帰したことで、攻撃により一層の厚さが加わった。しかし、試合の序盤はヒオ・ブランコの堅いDFの前に、ゴールを奪えなかった。22分にはFWバジーリオ ( サントス ) がペナルティエリア内で倒されたが、PKが認められない場面もあった。そんな重苦しい空気を打破したのは、FWホビーニョ ( サントス ) だった。
　25分、DFマクサンドロ ( サントス ) のマークを振り切ると、素早く左足を振りぬいて先制。後半に入ると、56分FWバジーリオ、58分FWホビーニョ、68分FWデイビッジ、90分FWホビーニョと、サントスが誇る３トップがゴールラッシュを披露した。

　ホビーニョは、この試合でハットトリックを達成。鋭く切れ込むドリブルでフィールドを支配するなど、相変わらず好調なホビーニョは、ブラジルの大手サッカー誌「プラカー ( ※ ) 」でも賞賛の嵐だという。また、このハットトリックで、ホビーニョは、FWフィナッズィ ( アメリカRJ ) と並んで、得点ランキングトップタイに躍り出た。

　兼ねてから評価の高かったFWホビーニョの“株”は、この試合でさらに上がっているという。先の第７節 ( 対コリンチャンス戦 ) では1800万ユーロ ( 日本円で約27億2,000万円 ) の価値がついたと言われているが、その程度の額ではホビーニョを語れないのではないか。近い将来、「白い巨人」がホビーニョにいくら出すのか、おおいに注目される。

　写真右上； 後半ロスタイム、ハットトリックとなる３点目を挙げたFWホビーニョ。州選手権の得点ランキングトップタイに躍り出た。

※…　ブラジルのサッカー誌。日本の雑誌に例えるなら「サッカーマガジン」や「サッカーダイジェスト」などにあたる、大手の雑誌である。かつて、日本人選手がこの雑誌の表紙を飾ったことがあった。1989年、ブラジル全国選手権、対パウメイラス戦で１ゴール１アシストと活躍した三浦和良選手(当時コリチーバ所属)。