アドリアーノ、負傷によりW杯予選に不参加。

　現地時刻の3月27日にW杯南米予選を行うブラジル代表に、嫌なニュースが飛び込んできた。イタリアのインテル・ミラノで右膝靱帯を負傷したFWアドリアーノが代表を離脱。月末の2試合を欠場することが明らかになった。

　アドリアーノの代表離脱を受け、カルロス・アウベルト・パヘイラ監督は急遽代役探しを始めた。そして呼ばれたのは、MFヒカルジーニョ ( サントス ) 。なんと、アドリアーノと同じポジションであるFWではなかったのだ。

　アドリアーノは、先の UEFA チャンピオンズリーグ ( 対FCポルト戦 ) で、ハットトリックを達成しチームをベスト８に進出させるなど、すこぶる好調であるところをアピールしていた。パヘイラ監督に「先発アタッカンチは、ホナウドとアドリアーノで決まりだ」と断言させるなど、アドリアーノには全幅の信頼と大きな期待が寄せられていた。そのアドリアーノの負傷で、ブラジル国内は一時騒然となったという。

　そんなアドリアーノに代わる選手に、FWでなく２列目の選手を選んだパヘイラ監督の心中は定かではないが、このMFヒカルジーニョ緊急招集は、セレソンに新たな変化を生みそうだ。
　なかでも、FWホビーニョ ( サントス ) にとっては試合に出場できる大きなチャンスになったのではないか。アドリアーノの離脱でFWは、ホナウド、ホナウジーニョ・ガウーショ、ヒカルド・オリベイラ、ホビーニョの４人に減った。そのうち、ホナウジーニョ・ガウーショは所属先のFCバルセロナではトップ下のような役割を担うことが多く、セレソンでも先の香港戦で中盤を努めている。このことから、FWは実質３人ととらえてもいい。よって、２トップは ホナウド＋ ( ヒカルド・オリベイラ or ホビーニョ ) と予測することができるのだ。
　セレソンにとっては大きな痛手であろうアドリアーノの離脱も、ヒカルド・オリベイラとホビーニョの２人にとっては、別の話なのである。

　ブラジル代表は、27日にペルーと、30日にウルグアイと対戦する予定になっている。あわよくば、ヒカルド・オリベイラ ＋ ホビーニョ、そしてトップ下にホナウジーニョ・ガウーショという香港戦の再来が、にわかに現実味を帯びてきた。