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Campeonato Brasileiro 2005 〜ブラジル全国選手権〜

渡る世間は鬼ばかり? MSI にマネーロンダリング疑惑が浮上。
カルロス・テベス獲得の際に、MSIが捻出した資金の出所について

 サンパウロ州選手権で調子上向きのコリンチャンスは、話題の飛び出し加減もまた、上向きである。FWカルロス・テベス ( アルゼンチン代表 ) の獲得の際に、MSIがマネーロンダリング ( ※ ) の疑いが浮上。ブラジル国内に大きな波紋を広げている。


 サンパウロ州の名門コリンチャンスとスポンサー10年契約を結んだ MSI は、本社をロンドンに構え、莫大な資金を有する企業。ブラジルでは「外資系企業」にあたる。同社の社長は、30代前半のイラン人男性が務めている。実はこの男、以前 U.S.A. ( アメリカ合衆国 ) でも事業を展開した際にも、資金捻出の件で FBI ( アメリカ連邦捜査局 ) から目をつけられていたことがあるらしい。一説では、イラクの武装勢力ともつながりがあるともないとも噂されている MSI 。FBI の捜査の目をかいくぐって U.S.A. を離れた彼らが目をつけたのが、ブラジルだったとも言われている。

 今回浮上した疑惑には、2004年南米最優秀選手に輝いたカルロス・テベスが絡んでいた。テベスを獲得する際にボカ・ジュニオールス ( アルゼンチン ) に支払った移籍金6000万レアル (日本円で約24億円) の出処が明確になっていないのが、騒動の発端になっている。数年後にテベスを欧州のクラブに高値で売りつけることは目に見えており、かつその際に発生する莫大な移籍金が「合法資金」になることは間違いないため、仮にボカに支払った移籍金が「裏金 (違法資金) 」だとすれば、この時点で『マネーロンダリング』が成立してしまうのである。

 MSI は疑惑を全面否定しているが、サンパウロ州当局はすでに MSI に捜査のメスを入れているという。U.S.A.にも、ブラジルにも目をつけられてしまった MSI にとっては、まさに「渡る世間は"鬼"ばかり」だ。

 もし、この疑惑に"陽性反応"が出れば、テベスの進退はおろか、コリンチャンスの立場も非常に危うくなる。昨年の「サンカエターノ勝ち点24剥奪」どころの騒ぎではなくなってくる可能性も否定できない。
 当然ながらテベスには何の非もないわけであるが、己の移籍資金を捻出した MSI がこのような疑惑にかけられては、テベスもたまったものではないだろう。一刻も早い全容の解明が待たれる。

 ※マネーロンダリング … 犯罪や麻薬などの不正取引などで得た資金を正当な事業活動で得た資金のように見せかける行為。マフィアなど裏の世界で横行している悪行の一種で、日本語に直訳すると「資金洗浄」となる。

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