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Campeonato Carioca 2005 〜リオ・デ・ジャネイロ州選手権〜

本編顔負けの“ おっかない ”筋書き。 響き渡る伏兵たちのせせら笑い。
州選手権前期グアナバーラ杯 「格」無きブラジレイロン1部勢。

 リオ・デ・ジャネイロ州選手権は、グアナバーラ杯と呼ばれる前期リーグが2月20日に全日程を終了する。サンパウロ州とは対照的で、リオ州では全国選手権1部のクラブが揃って不振なのである。昨年の全国選手権でも優勝争いから程遠い順位をさまよった名門の復活の日は、まだまだ先の話のようだ。

 まず、リオ勢のクラブでは昨年の全国選手権で最も良い順位 ( 9位 ) につけたフルミネンセ。他クラブでスタメンを担っていた中盤を獲得したことで層が厚くなったかに思えた。しかし、新加入選手が周囲との連携を深めるにはまだ時間がかかりそうで、本領発揮までには至っていないのが現状である。何よりも、チームの支柱だったMFホージェルをベンフィカ ( ポルトガル ) に放出したことによるマイナス面は否めない。今年のグアナバーラ杯では、グループリーグ敗退の憂き目に合っている。

 次に、バスコ・ダ・ガマ。年明けから好スタートを切り、チーム改革にも成功した感があった同クラブだが、第4節を境に失速。フルミネンセと同じくグループリーグで敗退した。MFジュニーニョ・ペルナンブカーノ ( ブラジル代表 ) をフランスのリヨンに放出した2001年以降、復活への活路を見出せていないバスコ。新加入のFWアレックス・ジーアスと、古巣復帰のFWホマーリオとで形成する2トップが機能しなければ、今年もまた中位をさまよう羽目になりそうだ。

 そして、早急に対策を講じなければならないのがフラメンゴだ。昨年、全国選手権2部降格を首の皮一枚で免れた同クラブは、年明け早々にDFジュリオ・セーザル ( 元ブラジル代表 ) とMFダ・シウバが負傷で戦線離脱になったことが影響を及ぼし、今年のグアナバーラ杯で開幕連敗という最悪のスタートを切った。コパ・ド・ブラジルでは決勝に進出した昨年と比較すると、今年の不調っぷりは昨年以上だ。昨年獲得したFWジンバがいまだチームになじんでいないのが、大きな誤算である。すでにグアナバーラ杯でも早期敗退が決まっていたフラメンゴ。知将クッカのチーム改造が成果をあげるまで、フラメンギスタ ( フラメンゴのサポーター ) はひたすら辛抱するしかない。

 最後に、全国選手権1部のクラブで唯一グアナバーラ杯グループリーグを突破したボタフォゴ。フラメンゴと同じく辛いシーズンを送った昨年とは一変し、今年は幸先の良いスタートを切れたと言えるだろう。チーム改革最大の成果は、バスコから獲得したFWアレックス・アウベスだ。アレックス・アウベスは、このグアナバーラ杯でも6試合で4ゴールをあげており、ボナミーゴ監督のお眼鏡にかなってスタメンに定着している。


 2月13日、聖地マラカナンでグアナバーラ杯準決勝 ボタフォゴ×アメリカーノ の試合が行われた。アメリカーノは、FWマルコス・アントーニオの先制弾で8分に先制。81分にFWアレックス・アウベスが同点弾を叩き込むも、その3分後にFWワシントン ( アメリカーノ ) が決勝ゴールを決めた。2-1 で競り勝ったアメリカーノが決勝進出の切符を手に入れた。
 ボタフォゴの敗退によって、2月20日に行われるグアナバーラ杯決勝は、アメリカーノ×ボウタ・レドンダ という全国選手権2部同志の対戦カードになった。決勝戦の出場権を全国選手権2部のクラブに奪われたことは、敗退した名門たちにとっては悪夢としか言いようがない異例の事態であるだけでなく、全国選手権1部という「格」の失墜にもつながってしまう。

 リオ・デ・ジャネイロ州では今、米映画「 Scary Movie 」も顔負けの“おっかない”筋書きを描いた、伏兵たちのせせら笑いだけが轟いている。

 写真右上; チームの快進撃に大喜びのアメリカーノのサポーターは、ボタフォゴのゲームシャツを着て、映画「 Scary Movie 」でおなじみのスマイリー・マスクを身につけながら、ボタフォゴをバカにするかのようなパフォーマンスを披露した。
 写真左下; 2月13日、開幕から好調を維持しているアメリカーノは、名門ボタフォゴを下して決勝進出を果たした。

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