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Campeonato Paranaense 2005 〜パラナー州選手権〜

相次ぐ主力放出に揺れるアレーナ・ダ・バイシャーダ。今年は低迷必至?
アトレチコ・パラナエンセ 攻撃要員を次々に放出。

 あと一歩のところで優勝を逃してしまった昨年のブラジル全国選手権2位のアトレチコ・パラナエンセに、黄色信号が点灯。監督レビル・クウピ、得点王ワシントンに続いて、司令塔ジャジソン、DFイバンと「昨年の主力」が、こぞってチームを去ってしまった。今年のアレーナ・ダ・バイシャーダ ( アトレチコ・パラナエンセのホームスタジアム ) の観客動員数が激減するのは必至である。

 アトレチコ・パラナエンセは、州都クリチーバに本拠を構えるパラナー州の名門。同州にはFW三浦和良 ( ヴィッセル神戸 ) も所属していたコリチーバ、パラナーと他にも強豪は存在するが、ここ数年は同州一の強さを誇っている。2001年にはブラジル全国選手権で優勝を飾っている。2004年は、名将レビル・クウピのもと統率されたチームに変貌。29歳のFWワシントンを前線に、MFダゴベルト、MFジャジソン、DFフェルナンジーニョと21歳以下の若手をメインにしたチーム作りが見事に成功し、ブラジル全国選手権2位に輝いた。

 そんな同クラブの有能な人材を他のクラブチームが黙って見ているわけがなかった。主力の放出は昨年12月から始まる。
 まず、ブラジル全国選手権で年間ゴール新記録を樹立したFWワシントンが、東京ヴェルディ1969への移籍を決めて日本へ。続いて、監督のレビル・クウピが、クルゼイロ再建の命を受けてベロ・オリゾンチ ( ミナス・ジェライス州の州都 ) へ、それぞれ渡った。
 主力の放出はそれだけにとどまらなかった。攻撃を縦横無尽に操れる天才司令塔ジャジソンと堅実な守備に定評のあるDFイバンが、揃ってシャフタール・ドネツク ( ウクライナ ) へと移籍した。イバンに関しては半年間のレンタル移籍だが、ジャジソンは5年契約の完全移籍。そして、これらに続くかのように、前線に飛び出す果敢なオーバーラップでチームの攻撃を支えたDFフェルナンジーニョ ( ブラジルU-20代表 ) もシャフタール・ドネツクへ移籍することが決まったそうだ。ただ、フェルナンジーニョに関しては、ジョアン・アウグスト会長 ( アトレチコ・パラナエンセ ) が「リベルタドーレスが終わる7月までは、フェルナンジーニョは出さない」と名言している。しかし会長は同時に、7月以降には放出する可能性も示唆した。
 つまり、アトレチコ・パラナエンセは、昨年の好調を支えた人材を一挙に失ってしまったということになる。相次ぐ主力の放出は、チーム崩壊の危機を招く。昨年のクルゼイロの前例もある。

 アトレチコ・パラナエンセに残った主力は、FWデニス・マルケス ( オゼアスの弟 ) とMFダゴベルト程度になってしまった。そのうちダゴベルトは、昨年の大怪我が完治しておらず、現在戦線離脱中の身である。今年のアトレチコ・パラナエンセは、現在行われているパラナー州選手権でも昨年のような勢いを確実に失っている。実に憂い多き一年になりそうだ。

 写真右上; 小柄ながらチームの大きな支柱であったMFジャジソン。テクニック、パスセンスともに非のつけどころがない。
 写真左下; ブラジルU-20代表にも選ばれているDFフェルナンジーニョ。将来を嘱望された有能な若手である。

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