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Campeonato Paulista 2005 〜サンパウロ州選手権〜

ブラジレイロンでの制裁に泣いたサンカエターノの意地。
第4節 サンカエターノ 1-0 パウメイラス

 サンパウロ州選手権は、1月29〜2月2日に第4節が行われた。アナクレット・カンパネーラで行われたサンカエターノ×パウメイラスは、サンカエターノが 1-0 で勝利を収めた。開幕から続いていたパウメイラスの連勝は3で止まった。


 試合は、強豪同士のハイレベルな対決になった。序盤攻勢に出ていたのはパウメイラスだったが、ホームの大歓声を背にしたサンカエターノが徐々に巻き返し始めた。しかし、MFクラウデシール ( パウメイラス ) の献身的な守備によって、前線に張っていたFWネト・ミネイロまでボールが渡らないシーンが何度も続くなど、サンカエターノが試合の主導権を握るまでには至らなかった。
 均衡を破ったのは前半終了寸前の42分。それまでFWアナイウトン ( サンカエターノ ) に対して執拗なマークを続けていたMFコヘイア ( パウメイラス ) が、ペナルティエリアでアナイウトンのシャツを引っ張ってアナイウトンのシュートを妨害したとしてイエローカードをもらう。このファウルで得たPKをMFマルシーニョが冷静に決めて、サンカエターノが先制。その後も接戦が繰り広げられたが、最後まで集中を切らさなかったサンカエターノが価値ある勝ち点3を手にした。
 同試合で対戦した両者は、昨年リベルタドーレス出場権の最後のひとつを争っていたクラブ同士。同試合ではそんな両者の意地がぶつかりあったが、サンカエターノのほうがわずかに気持ちで勝っていたのだろう。

 昨年のブラジル全国選手権でサンカエターノは、18位だった。順位だけで判断すると、さも瀬戸際で降格を逃れたクラブと思われがちだが、そうは思わないでいただきたい。幣サイト管理人の視点では、昨年のサンカエターノの成績は「真実」ではないからである。
 サンカエターノは大変優れた経営者の下、少ない資金で好成績を残せる優良クラブとして知られている。昨年のブラジル全国選手権では、第43節の時点では4位と、リベルタドーレス出場圏内にいたのだ。しかし、ブラジレイロン第38節で起こってしまった「モルンビーの悲劇」ことDFセルジーニョ (享年30) の突然死が、クラブの危機管理の欠如によるものだと判断した CBF (ブラジルサッカー協会) によって、無情にも勝ち点を24も剥奪されてしまったのである。クラブの責任は事実ではあるが、罰せられるべき対象はクラブのドクターや最高責任者であるはずだ。チームメイトの死を乗り越えようと堅実な努力を積み重ねてきた選手や監督ら、最前線の人間には何の罪もないのだから、勝ち点剥奪という罰でなく、クラブ側がセルジーニョの遺族に慰謝料を支払うなり陳謝するといった対応をするべきではないかと思えてならない。
 以上のような流れから、昨年は不条理な成績にされただけのサンカエターノ。実力は申し分なく、5年ほど前からは常に好成績を残してきた。つまり、サンカエターノとは、パウメイラスに代わってリベルタドーレスの予備戦に出場していた可能性もあった「強豪」なのである。そして、今年もまた例年と変わりないクラブ経営術で好成績を残しそうな予感が充分に感じられる。

 対する、パウメイラスは1999年にリベルタドーレス優勝を成し遂げ、トヨタカップではマンチェスター・ユナイテッド (イングランド) と対戦した経歴を持つ名門だ。だが、当時とは選手の顔ぶれも全く異なっており、2年前にブラジレイロン2部降格という苦い経験をしたクラブでもある。しかし、バグネール・ラブを擁して1部に復帰した2004年以降は、好調を維持できている。
 知将エステバン・ソアーレスの手腕によって、リベルタドーレス出場権を手にしているパウメイラスは、同試合の3日後にパラグアイのタクアリーとの同大会予備戦 1st.Leg を控えていた。それだけに、サンカエターノ相手に土を踏まされたことは非常に大きな影響を与えるかもしれない。

 その他の試合では、コリンチャンスがアメリカSPを下して連勝。サントスはサンチスタとの「クラシコ・サンチスタ ( サントス市内ダービー ) 」で引き分けに終わり、こちらも開幕からの連勝がストップしている。彼らとは対照的に、開幕からの連勝を唯一4にまで伸ばしたサンパウロは、4節目にして同州選手権の単独首位に浮上している。

 写真右上; コリンチャンスなどビッグクラブで苦い経験をしたMFマルシーニョ ( サンカエターノ ) も、アナクレット・カンパネーラで再生したベテランの一人。同試合では決勝点となるゴールでチームの勝利に大きく貢献した。

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