ウルグアイ「エルパイス」紙選定　南米最優秀選手の発表

　アルゼンチン代表FWのカルロス・テベス ( ボカ・ジュニオールス所属 ) が、2004年の南米最優秀選手に輝いた。テベスは若干20歳にして、はやくも２度目の栄誉を我がものにした。

　テベスは昨年１年間で、随所においてめざましい活躍を見せつづけた。コパ・アメリカとアテネ・オリンピックでは、アルゼンチン代表のFWとして素晴らしい活躍をみせ、７月に行われたコパ・アメリカでは準優勝に、９月に行われたオリンピックではチームを優勝に導いた。また、クラブチームでも素晴らしいプレイを随所に見せた。アルゼンチン１部リーグでは際立った成績を残せなかったが、６月のコッパ･リベルタドーレスでは準優勝に輝き、12月にはコッパ・スダメリカーナ決勝でチームを優勝に導く決勝点をあげていた。代表とクラブチームの両方でともに活躍したことが、今回の受賞に結びついたと言えよう。

　スキルが高くテクニックでも非常に優れた選手が数多くひしめきあう南米大陸においては、最優秀選手に選ばれることは、この上ない名誉になる。ましてや、世界最高峰を自負する南米大陸のサッカー界において南米最優秀選手とは、世界最優秀選手ととらえる価値観がいまだに根強く残っている。異論反論は多々あるかと思われるが、南米大陸で最優秀選手に選ばれることが非常に名誉なことに変わりはない。
　南米最優秀選手は毎年、ウルグアイ大手のスポーツ紙「エルパイス」の記者らと南米各国に点在する目の肥えたサッカー・ジャーナリスト十数人の評価を基準にして決められるもの。今回の選定にはテベスのほかにも、2003-2004シーズンのアルゼンチンリーグを制覇したリーベル・プレートからMFハビエル・マスチェラーノ、MFルイス・ゴンサーレス、ブラジル全国選手権を制したサントスからFWホビーニョ、リベルタドーレス決勝でPKを全て止めて、トヨタカップでも獅子奮迅の活躍を披露したオンセ・カルダスのGKファン・カルロス・エナオなどがノミネートされた。いずれも優れた選手が候補に挙がったのだが、いずれも得票数でわずかながらテベスにおよばなかった。

　今年はブラジルの名門コリンチャンスに活躍の舞台を移すテベス。今年もまた、2004年に劣らない質の素晴らしいプレイを期待したいものである。

　写真上； 2004年の南米最優秀選手に輝いたカルロス・テベス。写真は、2004年10月にセルジオ越後氏の取材を受けたときのもの。