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FIFA World Cup 2006 Eliminatórias 〜 ワールドカップ2006南米予選 〜

ペッケルマン新体制 緊張の初陣も白星スタート!
第9節 アルゼンチン 4-2 ウルグアイ

 2006W杯の南米予選は、10月9日に第9節が行われた。首都ブエノスアイレスのエスターディオ・モニュメンタルに7位ウルグアイを迎えた2位のアルゼンチンは、新監督ホセ・ペッケルマンの下で見事に勝利を収めた。

 試合は開始早々動いた。5分に前線の左側を上がったMFソリンがグラウンダーのパスをペナルティエリア内に転がす。これを走りこんでいたMFルイス・ゴンサーレスが合わせた。ホームで早々とペースをつかんだアルゼンチンは、その後も攻撃の手を緩めず攻勢をしかけ、31分にはFWサビオラのクロスをFWフィゲロアが、44分にはMFリケルメの溜めから出たパスをMFサネッティが、立て続けにゴールを奪った。いずれのゴールも中盤でボールを細かくつないで相手を翻弄する"アルゼンチンらしさ"が存分に出た攻撃だった。
3-0で折り返した後半には53分にMFリケルメの絶妙なスルーパスを受けたFWフィゲロアがキーパーをかわしてゴール。その後ウルグアイも2点を返したが、アルゼンチンがウルグアイの攻勢をしのいだ。

 今節のアルゼンチンは様々な意味で高い注目を集めていた。まず、負傷やサスペンションなどでMFマルチェラーノ、MFアイマール、MFクリスティアーノ(キリー)・ゴンサーレスら中盤の要を欠いていた。そして何よりもビエルサに代わって指揮をとるペッケルマンの采配に注目が集まった。「ウルグアイ戦は厳しい試合になるのではないか」そう思われていた。だが、結果それらは全て杞憂に終わった。上記の選手に代わって起用されたルイス・ゴンサーレスとファン・ロマン・リケルメは中盤でうまく機能した。とくにリケルメがボールをもつことで生まれた溜めや展開は、アルゼンチンに有利なリズムをつくっていた。FW陣ではクレスポ、テベス、カジラーギらのいない中で、フィゲロア&サビオラの2トップが前線を巧みに演出していたことも勝因のひとつだろう。この2トップのバランスのとり方は充分に合格点に値する。あえて修正点をあげるなら、3バックのディフェンスラインのバランスぐらいか。エインセ、サムエル、コロッチーニというポテンシャルの非常に高い選手を揃えた3バックは大変魅力的な布陣である。だが、実戦の数を充分にこなしていないだけに、この3人のコンビネーションの完成にはもう少し時間がかかるだろう。だがW杯の本番はまだ先の話。ベテランのアジャラを含めたディフェンス陣のバランスを調整していくことは充分に可能だ。そして、現在旬の世代を過去にユースチームで育て上げたペッケルマンにとっては、現A代表はいわば我が子同然の存在。プレイの質から性格まで選手を知り尽くしている新監督の手腕には、今後も注目していく価値が充分にある。

 一方、7位のウルグアイは対アルゼンチンという非常に重要な一戦で、エースのレコバが不在という非常事態に陥っていた。チームの絶対的な支柱を欠いた布陣の中で気を吐いていたのはFWチェバントン、MFソーサ、MFガルシアぐらいだった。栄えある第1回W杯優勝という由緒ある歴史をもつウルグアイ。古豪復活という目標が現実のものになるのは、まだ先の話かもしれない。

 この勝利で、アルゼンチンはブラジルを抜いて暫定首位に躍り出たが、数時間後にブラジルがベネスエーラに大勝したことで、今節終了時点でも依然勝ち点差1で首位のブラジルを追う2位を堅実にキープしている。

 写真; 53分、ダメ押しのゴールを決めたルチアーノ・フィゲロア(19番)が、ラストパスを送ったファン・ロマン・リケルメと抱き合って喜びを分かちあう。

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