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Campeonato Brasileiro 2004 〜ブラジル全国選手権〜

アルゼンチンが誇る点取り屋の移籍先は、欧州ではなく隣国ブラジル。
カルロス・テベス コリンチャンスへの移籍が決まる。

 ブラジルサッカー界にビッグニュースが飛び込んだ。アルゼンチンが誇る屈指の点取り屋であるカルロス・アルベルト・テベスの名門コリンチャンス入りが、このほど正式に決まったのである。

 テベスは、ブエノスアイレスのスラム街出身。そのガタイの良さからは連想しにくいかもしれないが、動きが非常に機敏で相手ディフェンダーを切り裂くドリブルは他を圧倒するものがある。さらに、シュートの精度、決定力の高さにも文句のつけどころがなく、そのプレイスタイルには、かの英雄ディエゴ・マラドーナをほうふつとさせるものがある。その通り、今いちばん「マラドーナに近い男」という賞賛の声まで上がるほどなのだ。
 アルゼンチン最大の人気クラブ「ボカ・ジュニオールス」で大活躍、過去には来日してトヨタカップも手にしている。
 アルゼンチン代表としても、コパ・アメリカでの鮮烈デビューを皮切りに着実に実績を積み重ねており、20歳にしてすでに世界中にその名を轟かせている「実力者」である。


 すでに、昨年よりレアル・マドリーやバイエルン、チェルシー、マンチェスターUなど、欧州のクラブから多数のラブコールを受けていたテベスだが、彼の移籍先は欧州ではなかった。ブラジルを選んだ。コリンチャンスを選んだ。
 サンパウロに本拠を構えるコリンチャンスは、ブラジルでもフラメンゴに次ぐ人気チーム。白い発炎筒を炊くサポーターに象徴されるコリンチャーノ ( コリンチャンスのサポーター ) の熱烈ぶりは、ボケンセ ( ボカ・ジュニオールスのサポーター ) にも決してひけをとらない。
 幼少時、首から下に負った"傷"を「スラム出身者としての誇り」ととらえて傷をそのまま残しているテベス。持ち前のハングリー精神で、今ひとつ勝ちきれないコリンチャンスを全国選手権優勝に導く方を選んだのである。そんな彼には、きっと欧州での地位や名声など不必要なのだろう。

 母国で最高の「デランテーロス ( スペイン語で FW の意 ) 」の地位を築いた男は、王国ブラジルで「アタッカンチ ( ポルトガル語で FW の意 ) 」として認められるか? さらなる成長の余地を秘めた逸材の、国外での挑戦がこれから始まる。

 2005年のブラジルサッカーは、まず1月からの州選手権で幕を開ける。強豪揃いのサンパウロ州選手権から始動するコリンチャンス。テベスの活躍がブラジルで見られる日もそう遠くない。

 写真; 「マラドーナの再来」との呼び声も高いカルロス・テベス。

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