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Campeonato Brasileiro 2004 〜ブラジル全国選手権〜

甘すぎたサントスの首脳陣。安易な契約条項がアダになる。
名将ルシェンブルゴ、レアル・マドリーの監督に就任

 2004年12月30日、スペインの名門レアル・マドリーは、2年連続でブラジル全国選手権を制した名将バンデルレイ・ルシェンブルゴ氏を新監督に招聘したと発表した。就任以来、サッカー界の均衡を破壊しつづけているフロレンティーノ・ペレス ( レアル・マドリー会長 / スペイン ) の愚行はとどまるところを知らない。

 電撃移籍の主人公は、選手に限ったことではない。監督もまた然りである。しかし、今回の騒動には、妙な伏線が敷かれていた。サントスがブラジル全国選手権優勝を飾った直後の契約更改で、サントスはルシェンブルゴとの契約を延長を求め、ルシェンブルゴも快諾。だが、そこで交わされた契約書類には 「もし欧州のクラブチームから監督就任の要請があった場合は、契約期間中でも外国チームへの移籍を認める」 との条文が盛り込まれていたのである。
 かくして、ルシェンブルゴは契約更改からわずか2週間足らずでレアル・マドリーに移籍したわけである。今回のような緊急事態を想定していなかったサントスの首脳陣は、年またぎの緊急監督招聘会議を開いた。エメルソン・レオン ( サンパウロ ) 、チッチ ( コリンチャンス ) 、ムリシ・ハマーリョ ( インテルナシオナウ ) 、カルロス・ビアンチ ( 元ボカ・ジュニオールス ) など実績のある監督に話をもちかけたが実らず、後任はオズワルド・ジ・オリベイラに決定した。サントスは、ルシェンブルゴに甘すぎる契約更改だったと言わざるをえない。

 ルシェンブルゴ氏が2005年1月から采配を振るっている「レアル・マドリー」は、言わずと知れたスーパースター軍団。過去にUEFAチャンピオンズリーグを過去に9度も制している名門中の名門クラブである。だが、フロレンティーノ・ペレス氏が会長に就任した2000年以降のレアル・マドリーは、スポーツを興行化し続けており、世界中のスター選手を買いあさることに躍起になってきた。宿敵バルセロナからフィーゴ (元ポルトガル代表 ) を獲得したのを皮切りに、ジダン、ホナウド、ベッカム、サムエル、オーウェンと名だたるスター選手をレアル・マドリーに連れ込んでいる。
 これだけの選手を獲得した以上は強くなければならないわけだが、ペレス会長の思うように事が運んでいないのが現実である。その原因をなぜか監督に押しつける同会長は、カマーチョ元スペイン代表監督に続いてレモン監督も更迭。その後釜にルシェンブルゴを選択した。攻撃的な戦術を得意とするルシェンブルゴに白羽の矢を立てたその判断は間違ってはいない。だがそれ以前に、2003年夏のMFクロード・マケレレ ( フランス代表 ) 放出を反省していない己の無能さには依然気づいていないようだ。

 果たして、ワールドクラスの優れた戦術をもつ名将は、世界一サッカーを知らない会長が君臨するクラブで成功を収めることができるのだろうか。

 写真右上; 攻撃的な戦術ではおそらく世界レベルの監督バンデルレイ・ルシェンブルゴ。最近ではブラジル代表監督再任の噂も浮上していた。
 写真左下; 現レアル・マドリー会長のフロレンティーノ・ペレス。この男が会長職を退かない限り、レアル・マドリーの"愚行"は収集がつかないだろう。

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