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Campeonato Brasileiro 2004 〜ブラジル全国選手権〜

アトレチコ・パラナエンセに死角なし?!  好調サンカエターノを蹴散らす。
第44節 アトレチコ・パラナエンセ 5-2 サンカエターノ

 ブラジル全国選手権は、12月4〜5日に第44節が行われた。パラナー州のアレーナ・ダ・バイシャーダで行われたアトレチコ・パラナエンセ×サンカエターノの上位対決は、終盤のゴールラッシュでアトレチコ・パラナエンセが快勝した。

 ネットが7度揺れた痛快なゴールラッシュだった。先制したのはサンカエターノ。見事なパスワークから最後はFWマルシーニョが決めた。前半41分の出来事。その時間帯までにアトレチコ・パラナエンセは決定機こそ作れど、ゴールを奪えなかった。1点ビハインドのまま迎えたハーフタイムの焦燥感を振り払ったのは、現在のアトレチコ・パラナエンセが誇る前線のトライアングルだった。
 後半開始早々に、FWワシントンのお膳立てからFWデニス・マルケスが決めて同点。さらに、その直後には司令塔ジャジソンが押し込んであっという間の逆転劇を演じた。その後も勢いを止めないアトレチコ・パラナエンセは80分にジャジソン、89分にPKをワシントン、そして試合終了間際にはデニス・マルケスが鮮やかなボレーシュートをミドルレンジから豪快に突き刺して、試合に終止符を打った。最後の得点は、ゴールラッシュの最後を飾るにふさわしい素晴らしいシュートだった。

 スポーツ上院審議会の判決を翌日に控えていたサンカエターノには、精神的な乱れがあった。10月のセルジーニョ死亡事件に対し、罰則として勝ち点24の剥奪がほぼ確実ささやかれていたからだろう。この試合は判決が下される前日だったのだが、数日前から様々な憶測が飛び交う中で、同問題がサンカエターノに与えた心理的な影響は多分にあっただろうと思われる。

 一方、ホームのアトレチコ・パラナエンセには、一種の貫禄のようなものが感じられた。優勝に向けて、イレブンの結束は思いのほか強固なものになっている。パスワークでは阿吽の呼吸で相手バックラインを翻弄する場面も披露。勝ち点差2で追走する2位のサントスを寄せつけず、第40節に首位に返り咲いてから、一度も首位の座を譲っていない。
 FWダゴベルトを負傷で欠いてはいるが、代わって使われているFWデニス・マルケスが充分にその穴を埋めており、MFジャジソン、FWワシントンとの連携にも申し分ない。早ければ次節にも優勝が決まるアトレチコ・パラナエンセ。混戦の今季を制する勢いは充分だ。しかし次節のバスコ・ダ・ガマ戦はトライアングルの一角であり、最も重要な選手でもある司令塔のジャジソンを累積警告で欠いてしまう。果たして、ジャジソンの不在がチームの攻撃力にどのような影響を及ぼすだろうか。優勝を信じるサポーターを裏切らないためにも、ジャジソン不在に対応しうる戦術が生み出せるかどうかが鍵になりそうだ。




   その他の試合では、2位のサントスが2部降格が決定しているグレーミオを相手に5-1と快勝。依然として勝ち点差2のまま首位を追走している。
 一方の降格争いは、23位グアラニー以上の8チームによる降格争いが熾烈化している。グアラニーは前節に続いて連勝を飾り、1部残留への強い意気込みを保っている。一方で勝ちきれないのがアトレチコ・ミネイロとビットーリア。この両者には勝利に持ち込む術も見出せない試合が何週間か続いており、グアラニーよりもむしろこの両者のほうが危ない。

 写真右上; 80分、ジャジソンの追加点に、GKジエーゴら守備陣も喜びを爆発させる。
 写真左下; ジャジソンの追加点に興奮するアトレチコ・パラナエンセのサポーター。彼らは優勝を信じている。

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