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Campeonato Brasileiro 2004 〜ブラジル全国選手権〜

2度目の栄冠を狙うチームの守備は、2つ星。
第42節 ポンチ・プレッタ 2-3 アトレチコ・パラナエンセ

 ブラジル全国選手権は、11月20〜21日に第42節が行われた。カンピーナス州のモイセス・ルカレッリで行われたポンチ・プレッタ×アトレチコ・パラナエンセは、首位のアトレチコ・パラナエンセが得点王ワシントン(FW;アトレチコ・パラナエンセ) のゴールなどで、辛くもポンチ・プレッタを振り切った。

 ホームに首位のチームを迎えたポンチ・プレッタには、さしたる目標が何もなかった。第41節終了時点での順位は9位。首位に20もの勝ち点差をつけられていた。残り試合もあと5つとあって、優勝の可能性はなく、またリベルタドーレス出場圏内の4位以内に食い込むこともほぼ不可能という状態。この時期のこの順位は、つまり上位浮上の意気込みも降格の危機感もない“中途半端”な状況を意味していた。
 スタジアムに足を運んでくれたサポーターを尻目に、「勝とうが負けようが、さして問題じゃないか…」といった気持ちでイレブンは試合に臨んでいるようだった。この日2得点と唯一気を吐いていたFWアレッサンドロを除いて。

 対する首位のアトレチコ・パラナエンセは、ワシントン様々であった。もっかゴールランキングの首位を独走状態のワシントンは、この日も2ゴールを挙げてチームの勝利に大きく貢献した。1点目はFWデニス・マルケスの右からのラストパスにうまく合わせたもので、2点目は強烈な弾道のフリーキックを直接決めたもの。この2得点でシーズン32ゴールとしたワシントンは、昨季ジンバ(FW;フラメンゴ)が打ち立てた「シーズン最多得点記録」の31ゴールを抜く新記録を樹立したのである。チームの優勝と自身の得点王という、大きな目標を2つも抱いている男のこなす仕事はひときわ輝いていた。
 だがその一方で守備に関しては、首位に君臨するチームにしてはおぼつかない点がいくつか見受けられた。セットプレーでマークの確認を怠りボールウォッチャーになってしまった最終ラインや、中盤の攻守の切り替えの遅さなど、目を伏せることのできない問題がこの試合で露呈されてしまったのである。現時点で2位サントスとの勝ち点差はわずか2であり、優勝争いが最終節にまでもつれ込む可能性は非常に高い。しかも最終節までにグレーミオ、ボタフォゴといったセリエB降格に強い危機感を持っている名門との対戦を控えている。残り試合すべてにベストの状態で臨むぐらいの気持ちがなければ、王国のトップリーグ制覇は成しえないのではないだろうか。

 試合後、アトレチコ・パラナエンセのサポーターが掲げた2つの星形のダンボールは、2001年以来となる2度目のリーグ制覇を信じてのものだったのだろうが、それは皮肉にもこの日の同軍の守備陣にも当てはまっていた。「2つ星」クラスの守備では、先行きが非常に不安だ。


 その他の試合では、2位のサントスが辛勝を収め、首位との勝ち点差2を維持している。また、3位だったパウメイラスは格下グアラニーに完敗、代わってジュベントゥージを撃破したサンパウロが3位に浮上した。リベルタドーレス出場権を巡る上位争いもまた厳しい。
 また下位では、最下位グレーミオが同じく降格の危機にあるビットーリアに惨敗。もはやグレーミオのセリエB降格は避けられないだろう。どのチームも油断できない状況である。今季も残り4試合のブラジル全国選手権。優勝争いも、降格争いも、到来したブラジルの「夏」に触発されて熱くなってきた。

 写真右上; 試合終了後、アトレチコ・パラナエンセのサポーターがスタンドで掲げた2つの星の真意は…?
 写真左下; 77分、シーズン最多ゴールの新記録を樹立したワシントン(9番)は、両手を上にかざしながらチームメイトと喜びを分かち合う。

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