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Campeonato Brasileiro 2004 〜ブラジル全国選手権〜

重すぎた不良馬場、実力馬のウイニングラン!
第40節 フルミネンセ 1-2 アトレチコ・パラナエンセ

 ブラジル全国選手権は、11月6〜7日に第40節が行われた。ヒオ・ヂ・ジャネイロのマリオ・フィーリョ(マラカナン)で行われたフルミネンセ×アトレチコ・パラナエンセは、優勝を目指すアトレチコ・パラナエンセが執念のロスタイム決勝弾で、再び首位に返り咲いた。

 最悪の不良馬場だった。前日までの雨の影響で芝は水を豊富に含んでいた。いくら大都市ヒオ・ヂ・ジャネイロが雨の多い地域とはいえ、このようなピッチで質の高いゲームなど生まれるはずもない。つながらないパス、ドリブルの最中に突如止まるボール、ピッチに足をとられて滑る選手、ハーフタイムの時間にもめくれた芝を均さないマラカナンの従業員。由緒ある国内最大級のスタジアムがこの日見せた"顔"は、実に荒れたものだった。


 同じ勝ち点で首位を追走していた2位のアトレチコ・パラナエンセは、状態の悪いピッチでもロングフィードに頼らない「つないでいく」自分たちのフットボールにこだわっていた。自分たちを信じてプレイする彼らの意志は、水はけの悪い芝の前に快調なリズムを壊され続けていた。フルミネンセに先制を許したが、それでもこだわりを捨てなかった彼らに女神が微笑む。63分、ダゴベルトの代役としてピッチに立ったFWデニス・マルケス(オゼアス(FW;アルビレックス新潟)の弟)からのラストパスを、もっか得点王のFWワシントンが決めて同点。そして引き分けで終わるかと思われた試合終了間際に、ワシントンのループシュートをDFフェルナンジーニョが頭で押し込み、逆転勝利を収めたのである。重馬場の悪環境が問題ではなかった。やはり底力のあるチームが勝利と縁深いようである。
 一方で前節、首位のサントスを相手に完敗だったフルミネンセは、7日前の落胆を振り払うかのごとく、51分にコーナーキックからアントーニオ・カルロスのゴールで先制した。だが追加点が奪えないまま、アトレチコ・パラナエンセに逆転を許してしまった。エジムンドもハモンもいない今の攻撃陣に必要なのが決定力であるのは言うまでもないが、それ以上に守備の要オジバンの一発レッドで数的不利に立たされたのが何よりも苦しんだ原因だった。

試合後のMFワシントン (アトレチコ・パラナエンセ) のインタビュー
 (決勝弾は)うまくキーパーを引きつけられたね。フェルナンジーニョがうまく決めてくれたよ。大変な試合だったけど、今日は勝てたことが大きいよ。もっと点がとれればよかったんだけど、この勝利でチームの士気も上がるね。



 その他の試合では、首位のサントスが格下クリシューマと引き分けて首位陥落。ひたすら勝ち続けているサンパウロとパウメイラスは、再び首位戦線に加わりつつある。またグレーミオは降格争いをしているパラナーに 0-1 で敗れた。グレーミオのセリエB落ちが、そろそろ現実味を帯びてきた。

 写真右上; 93分に劇的な決勝弾を決めたフェルナンジーニョ(DF;アトレチコ・パラナエンセ)が、勝利を確信して歓喜のウイニングラン。
 写真左下; 身体にキレのないオジバン(DF;フルミネンセ)は己の足すら制止できず、フェルナンジーニョを蹴り上げてしまい、一発レッド。

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