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Campeonato Brasileiro 2004 〜ブラジル全国選手権〜

素晴らしきかな、グラフィッチ。 各誌の評価は今季最高の8点!
第37節 サンパウロ 1-0 サントス

 ブラジル全国選手権は、10月23〜24日に第37節が行われた。サンパウロのムルンビーで行われたクラシコ・パウリスタ(サンパウロ・ダービー)のサンパウロ×サントスは、サンパウロがグラフィッチ(FW;サンパウロ)の先制点を守りきって勝利をおさめた。

 試合開始早々はサントスが何度もサンパウロ・ゴールを脅かしたが、先制したのはサンパウロだった。右サイドに流れたファボン(DF;サンパウロ)からのクロスボールをグラフィッチがヘッドでマウロ(GK;サントス)の頭上を越えるゴールを決めた。このゴールをグラフィッチは「ボールを頭で味方に落とそうと思ってたんだ。偶然入っただけだよ」と言っているが、まさにその言葉通りのゴールだった。サンパウロは、ヒカルジーニョの決勝FKで敗れた第14節の借りを返すことができた。負けられないサントスも試合終了の瞬間まで必死にゴールを狙いにいったが、彼らの意欲も実を結ばなかった。

 この日の主役は間違いなくグラフィッチだった。秘めているポテンシャルは高いと評価されてきたものの、「肝心の試合で能力を充分に発揮できない選手」というイメージを持たれていたグラフィッチ。だが、この日は違っていた。恵まれた体格をいかした「くさび」になる動きに、冴えがあった。受けたボールを味方に散らすまでに、前節までは相手の寄せに動揺してボールを取られがちだったのだが、そんな彼がボールをとられない。そして、相手選手を含めたフィールド・プレイヤー全20人(GKを除く)の中では、もっともパスの精度が高かった。また、切れのあるドリブルや鋭いシュートなど、グラフィッチのすべてのアクションが及第点に達していたのである。

 一方、首位に勝ち点差1まで詰め寄っている2位のサントスだが、重要な一戦でチーム全体に冴えがなかった。ドリブルが得意なFWホビーニョがトラップをミスしたり、MFヒカルジーニョのスルーパスが通らなかったりと、ゴールまでのプロセスをうまく組み立てられなかったことで、試合を有利に進められなかった。サンパウロの3バックの堅守にしてやられた感も否めないが、唯一質の高いプレイをしていたMFエラーノが風邪による体調不良で前半のみでピッチを退いてしまったことが何よりも痛かった。


 そのほかの試合では、首位のアトレチコ・パラナエンセが19試合ぶりの黒星を喫した。相手が好調のパウメイラスだったこともあるが、何よりも負傷したダゴベルトの穴が予想以上に大きかった。首位の敗戦と上位陣の勝利によって、首位争いは再び混沌としつつある。サンパウロ、サンカエターノ、パウメイラスにも優勝の可能性が出てきた。

 写真; 32分、ゴールが決まりチームメイトからの祝福に舌を出しておどけるグラフィッチ(中央)。

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