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Campeonato Brasileiro 2004 〜ブラジル全国選手権〜

ダゴベルトに突然のアクシデント。今シーズンは絶望的…
第36節 アトレチコ・パラナエンセ 1-1 パラナー

 ブラジル全国選手権は、10月16〜17日に第36節が行われた。パラナー州のアレーナ・ダ・バイシャーダで行われたクラシコ・パラナエンセ(パラナー・ダービー)のアトレチコ・パラナエンセ×パラナーは、アウェイのパラナーが終了間際に同点に追いつき、意地と意地がぶつかったクラシコをドローに持ち込んだ。

 7月24日の第18節以来実に17戦連続無敗と、国内で最も好調な首位のアトレチコ・パラナエンセ。FWワシントンを軸にした厚みのある攻撃サッカーが、その強さを象徴した。だが、この日の彼らはライバルのパラナーの気迫に押されていた。何度も作ったゴールチャンスもパラナーのゴール前での堅い守備にチャンスを阻まれ続けた。0-0で前半を折り返した試合は、58分に動いた。インターセプトからの速攻で、MFジャジソンがFWデニス・マルケス(オゼアス(FW;アルビレックス新潟)の弟) にスルーパスを出す。左に流れていたデニス・マルケスが放ったシュートがファーサイドのゴールポストに当たり跳ね返ったボールを、ゴール前に飛び込んでいたジャジソンが押し込んだ。先制後も試合を有利に運んでいたアトレチコ・パラナエンセだったが、89分に追いつかれるという非常に残念な結果に終わった。ドローに終わったが、それは負けに等しいものだった。
 さらに、この試合でアトレチコ・パラナエンセは結果以外の面でも大きな不安を抱えてしまった。ワシントン、ジャジソンと並んで首位快走の原動力にもなっていたMFダゴベルトが、41分に突如右ひざを痛めてピッチに倒れこんだのである。相手選手との接触もない状況でピッチにうずくまっただけに、状態は深刻だ。診断の結果、今シーズンは絶望という最悪の事態になってしまった。アトレチコ・パラナエンセの次節以降の戦力ダウンは必至である。

 一方で、ここ6試合は3勝2分1敗と調子も上向きのパラナーは、21位と降格圏内にいるとは思えない素晴らしい試合運びを見せていた。中盤でショートパスを細かくつないだり、サイドバックのオーバーラップからチャンスを作るなど、イレブン全体の動きが非常に冴えていた。リードを許してからはバックラインを押し上げて分厚い攻撃を展開した。その前向きな姿勢と選手個々の気持ちが結果につながったと言っても決して過言ではない。メシアス(MF;パラナー)が決めた同点弾は、約34mの距離から蹴った鋭い弾道のミドルシュートだった。クリアを試みた相手DFの頭に当たり、キーパーの横をすり抜けた。そのとき女神は優しく微笑んだのかもしれない。クラシコをある程度納得のいく結果で乗り越えたパラナーは、22位と依然厳しい位置にいるが、セリエA残留に向けた明るい兆しをファンに見せてくれた。

試合後のDFフェルナンジーニョ (アトレチコ・パラナエンセ) のインタビュー
 今日はぼくたちよりも相手のほうが出来がよかった。でも落ち込んではいられないよ。まだまだ試合が残ってるからね。


 そのほかの試合では、2位のサントスと3位サンパウロが、それぞれ大勝して勝ち点を大きく伸ばした。また4位につけているサンカエターノも堅実に勝ち点を伸ばしている。サンパウロ州のチームが上位を占める勢力図は、今季このまま変わらないだろう。一方、昨年王者のクルゼイロは最下位のグアラニーに勝ち点3を献上。アレックス、マイコン、ヒヴァウドが抜けた穴は予想以上に大きいようだ。

 写真上; 41分、ドリブルの途中で急にピッチに倒れこんだダゴベルト(11番/MF;アトレチコ・パラナエンセ)。チームの攻撃を支えてきた重要な選手だけに、ケガの状態が非常に心配される。
 写真下; 89分、強烈なミドルシュートでチームを窮地から救ったメシアス(16番/MF;パラナー)が、監督と歓喜の抱擁を交わす。

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